入学1週間で地震…南阿蘇中88人、涙の卒業式 [熊本県]

南阿蘇中の卒業式で、熊本地震からの3年間を振り返りながら校歌を歌う卒業生たち
南阿蘇中の卒業式で、熊本地震からの3年間を振り返りながら校歌を歌う卒業生たち
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 熊本地震があった2016年に入学した中学、高校生たちがこの春、巣立ちを迎える。南阿蘇村唯一の中学校、南阿蘇中でも9日に卒業式があった。卒業生88人を代表して答辞を述べた峰松拓未さんは「すごく特別な3年間だった。地震直後は不安でいっぱいだったが、友達と再会し、心の底から初めて笑えた」と振り返り、地域の復興を願った。

 88人は、旧3村の統合校として発足した南阿蘇中の最初の新入生。入学1週間後、地震に見舞われた。体育館は避難所となり、3人が転校。今も10人が仮設住宅やみなし仮設で暮らし、峡谷を挟んだ立野地区や大津町からスクールバスで通った生徒もいたという。

 式典後、教室に戻った卒業生たちに、学級担任を3年間務めた池田昌史教諭(42)は「地震の時は、人としての無力さを感じ、みんなのために何ができるか考えた」と吐露。防災学習に力を入れた古賀元博教諭(43)は「立派な人ってどんな人? 先生は、自分らしく生きている人だと思う」と語り掛けた。

 県立高後期入試を55人が受験し、合格発表を待つ。廊下には〈泣けないな合格発表見るまでは〉といった生徒の句も並んでいたが、教室で一人一人があいさつする場面では、多くの生徒が涙をこらえきれなかった。

=2019/03/10付 西日本新聞朝刊=

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