液状化対策18ヘクタールで不適 熊本市近見 被害区域の45% 工法再検討へ [熊本県]

 熊本市は12日、熊本地震で液状化被害が出た同市南区近見地区について、有効策として採用した「地下水位低下工法」を被害区域40ヘクタール(857戸)の45%に当たる18ヘクタールで適用できないと明らかにした。地盤沈下が大きくなるなど道路や宅地に悪影響が出る恐れがあり、工法を再検討するという。残りの22ヘクタールは当初計画通り工事を進める方針。

 この日、市液状化対策技術検討委員会(会長・北園芳人熊本大名誉教授)で報告した。

 市によると、地下水位低下工法は、地下に埋めた配水管などで地下水を抜き地盤を固める工法。市は昨年4~8月に近見地区で実証実験を実施し、同委員会が「液状化防止に有効」との結論を大西一史市長に報告していた。

 しかし、近見地区の地質などを解析した結果、被害区域のうち18ヘクタールでは、地下水位が低下した場合、家屋などに有害な影響を与える恐れがある5センチ以上の沈下量が見込まれたり、周辺の道路や河川などにも悪影響が出たりする恐れがあることが判明。同工法による工事を断念したという。

 一方、近見1丁目から日吉2丁目までの約30ヘクタール(うち被害区域は22ヘクタール)を、計画通り地下水位低下工法を適用する「対策区域」に設定した。市は全住民の同意を工事着手の要件に掲げており、近く区域内の自治会長と同意取得に向けた協議を本格化させる考えだ。

 市担当者は「さまざまな工法を検討し、地下水位低下工法が最も有効と判断してこれまで進めてきたが、早急に再検討する」としている。

=2019/03/13付 西日本新聞朝刊=

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