坪井川舟運復活へ調査 熊本市、年間流量や避難経路検証 「観光の目玉に」地元要望 [熊本県]

2017年5月に坪井川で行われた遊覧船の試験運航
2017年5月に坪井川で行われた遊覧船の試験運航
写真を見る

 熊本市は新年度、市内の坪井川で舟運事業の実現に向けた河川調査に10年ぶりに乗り出す。舟運は大正時代まで熊本城下町の重要な交通・物流路となっており、これまで地元有志が新たな観光の目玉にしようと復活を模索してきた。市は10年前の調査で「水深不足で運航は難しい」と結論付けたが、水深が浅くても運航可能な船の登場で再び可能性を探ることになった。

 市などによると、舟運復活は県内企業などで構成した「熊本ルネッサンス県民運動」の専門部会が2004年ごろから計画。11年3月の九州新幹線全線開業などを見据え、熊本城周辺の坪井川でゴムボートなどによる試験運航を重ねた。

 しかし、市が09年に実施した調査では、運航可能な水深80センチの水量を年間通じて確保できないと判明。計画は暗礁に乗り上げていたという。

 再調査のきっかけは、水深50センチでも運航できる遊覧船の登場。部会のメンバーらでつくる「熊本城坪井川園遊会」は17年5月、JR熊本駅に近いくまもと森都心プラザ前から熊本城周辺までの約3キロ区間で、大阪・道頓堀で運航されている電気遊覧船(15メートル、旅客定員40人)を試験運航。4日間で約2千人が試乗した。

 その後、園遊会の要望を受けた市は、09年の調査以降の改修工事で河川環境が変わったことも踏まえ再調査を決定。市によると19、20年度の2年間で、くまもと森都心プラザ付近から熊本城近くの観光施設「桜の馬場城彩苑」付近までの年間流量や増水時の避難経路などを検証する。

 ただ、調査で運航条件をクリアしても船着き場の整備や遊覧船の運営主体など実現に向けた検討課題は多い。園遊会代表幹事を務める岩田コーポレーションの岩田英志代表取締役(64)は「舟運は新しい熊本の観光ルートになる。今後、園遊会として運航形態などを検討したい」と話す。

=2019/03/16付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]