「思い継ぐ」胸に刻み 熊本地震3年 各地で追悼行事 [熊本県]

前震の発生時刻に集会所のキャンドル前で犠牲者に黙とうをささげる益城町のテクノ仮設団地の住民たち
前震の発生時刻に集会所のキャンドル前で犠牲者に黙とうをささげる益城町のテクノ仮設団地の住民たち
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熊本地震の前震が発生した時刻に合わせ、午後9時26分にキャンドルの前で黙とうする木山仮設団地の住民たち
熊本地震の前震が発生した時刻に合わせ、午後9時26分にキャンドルの前で黙とうする木山仮設団地の住民たち
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東海大の農学部実習場であった追悼式で、学生代表であいさつする津田航士郎さん
東海大の農学部実習場であった追悼式で、学生代表であいさつする津田航士郎さん
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 熊本地震から3年を迎えた14日、県内の被災地では、犠牲者を悼む集いが各地で開かれた。「忘れたくない、忘れちゃいけない」。参加者たちは地震で命を落とした人や、生活再建の途上で亡くなった被災者の無念に思いをはせ、3年の月日を振り返り、胸に刻んだ。

益城町

 雨が降りやんだ午後7時。益城町の県内最大の仮設団地「テクノ仮設」の集会所で、団地の自治会が追悼の集いを開いた。仮設住宅の住民たちは、発光ダイオード(LED)キャンドルに照らされた献花台に菊を手向け、冥福を祈った。

 自治会によると、テクノ仮設では今年に入り高齢者3人が相次いで亡くなった。「地震がなかったらもっと長く生きられたかもしれない。どうぞ安らかにお眠りください」。自治会連合の池田正三会長(79)は献花台に語り掛けた。

 企画した前会長の吉村静代さん(69)は「3年前をもう一度思い出し、犠牲になった人たちの思いを受け継ぐ場にしたかった」と打ち明ける。住民の花田由美子さん(37)は「毎年今の時期になると、子どもたちは地震の恐怖を思い出して不安定になる。災害をなくすことはできなくても、被災する人が一人でも少なくなってほしい」と願った。

 516戸整備されたテクノ仮設には、現在も249世帯が入居している。前震発生時刻の午後9時26分、別の集会所でも住民が集い、キャンドルを囲んで地震犠牲者へ黙とうした。

 同町の木山仮設団地では、アーティストのCandle JUNE(キャンドルジュン)さんらが手掛けたキャンドルと住民が作った竹灯籠の計700本に明かりをともした。住民の富田勝子さん(77)は来年春完成の災害公営住宅に入居予定。「地震後、夫の体が弱った。一日も早く復興団地で生活できますように」と手を合わせた。

 木山神宮では、福岡市のボランティア団体「夢サークル」(吉水恵介代表)や地元住民がキャンドルで「4・14・16」の文字を作り、全員で鎮魂の祈りをささげた。吉水代表は「きょうが益城で活動をして200日目。被災者に寄り添い、みなさんが復興するまで微力ながら支援したい」と語った。

南阿蘇村

 大学生3人が亡くなった旧東海大阿蘇キャンパス(南阿蘇村黒川地区)にある農学実習場で、職員や学生ら約100人が参列して追悼式があった。山田清志学長は「復興の誓いと、震災の記憶を風化させない節目にしたい」と誓った。

 地震後、大学機能は熊本市内に移転されたが、農学部の実習フィールドは復旧。3月には学習・交流施設など2棟が完成し、新年度から学生たちの農場実習が本格化している。

 学生を代表し、農学部3年の津田航士郎さん(20)は「地震を経験していない世代だが、復興に向けたボランティア活動などを見て、前を向く大切さを知った。亡くなった先輩たちの分まで前を向きたい」と話した。

熊本市

 バスケットボール男子Bリーグ2部(B2)の熊本ヴォルターズは、熊本市総合体育館で香川ファイブアローズとのホーム戦に臨んだ。両チームの選手や観客が熊本地震の犠牲者を悼んで黙とうをささげ、試合はヴォルターズが快勝した。

 熊本市は午前10時、アクアドームくまもとや市男女共同参画センターなどの管轄施設で、半旗を掲げたり利用者に黙とうを呼び掛けたりした。

=2019/04/16付 西日本新聞朝刊=

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