友の形見、生きた証しに 吉永さんの着物、ポーチに再利用

吉永和子さんの遺族から提供された形見の着物で、ポーチなどを作る「サークル絆」のメンバー=熊本県益城町
吉永和子さんの遺族から提供された形見の着物で、ポーチなどを作る「サークル絆」のメンバー=熊本県益城町
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吉永和子さん
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 熊本地震で犠牲になった熊本県益城町の吉永和子さん=当時(82)=の形見の着物などを再利用し、ポーチを作る活動を吉永さんの友人たちが進めている。吉永さん宅の解体後に見つかった着物を遺族から譲り受けた。24日には東京で展示販売し、収益の一部を地域の復興に充てる。地震発生から1年。友人たちは「吉永さんが生きた証しを形に残したい」と話す。

 益城町島田の東無田公民館に6日、10人ほどの女性が寄り合った。談笑しながら、着物の生地をミシンで縫い合わせる。メンバーの中心となっている中村智子さん(70)は、吉永さんのダンス仲間だった。「吉永さんは明るくて着物のよく似合う人だった」

 約40年間、着物アドバイザーを務めていた吉永さん。昨年4月16日の本震で自宅が倒壊し、亡くなった。吉永さんが暮らした東無田地区では家屋の約8割が全半壊となり、多くの住民が仮設団地などでの生活を余儀なくされた。

 「被災したけれど、楽しいことをやって地域を元気にしよう」。同7月、中村さんら約20人が住民グループ「サークル絆」を結成。地区内の被災家屋から出てきた汚れて使えない着物や洋服の再利用を始めた。作ったポーチは支援を受けた県外の人に贈るなどしてきた。

 今年1月、グループの取り組みを知った吉永さんの遺族から、倒壊した家屋にあった50着超の着物のうち約20着の提供を受けた。地元有志による「災害スタディーツアー」で地区を訪れた日本航空(JAL)幹部の求めに応じ、今月24日に東京の同社本社で開かれるバザーへの出品も決めた。吉永さんや地区住民の着物で作ったポーチ約200個を持って行き、地震当時の話も語り伝えるつもりだ。

 着物を提供した吉永さんのめい、前田直美さん(68)は「おばがみんなの中で生き続けていると感じる。うれしい」と喜ぶ。中村さんは「吉永さんも着物が小物によみがえることを喜んでくれていると思う。これがあれば忘れない」。

 2017/04/18付 西日本新聞夕刊

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