解体?移動?複数案検討 熊本城飯田丸五階櫓

報道陣に公開された熊本城・飯田丸五階櫓の工事現場=19日午前、熊本市中央区
報道陣に公開された熊本城・飯田丸五階櫓の工事現場=19日午前、熊本市中央区
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 熊本地震の激震に襲われながらも、「一本足」状に残った石垣が支えとなり倒壊を免れた熊本城の飯田丸五階櫓(やぐら)を復元する工法を巡り、工事関係者が頭を悩ませている。国特別史跡の石垣を元の姿に戻すことを前提に、損傷の激しい上部の櫓をどう補修するか、難しい判断が求められるためだ。石垣と櫓内部の傷み具合も探りながらの慎重な作業を強いられる。

 復元の大方針は、大事な石垣を傷つけずに解体し、積み直すことだ。悩ましいのは、上部の櫓(2005年復元)を解体して撤去するか、現状の姿のまま近くに移動させるかの選択。

 不安定な石垣が支える櫓は、鉄骨のアームで補強されて持ちこたえている。工法を誤れば、櫓も石垣も崩れ、石材が傷ついたり割れたりしかねない。今後、一本足の部分を緩衝材で保護した上で、ギプスで固めるように鉄骨で補強。最終的には一本足の石垣も解体して全体を積み直す方針で、完了時期は未定という。

 工事は国内外のダムやトンネル、港湾を手掛けた大手ゼネコンと市が協議しながら進めている。市の担当者は「市民が『奇跡の一本足』と呼んだ復興のシンボルを守らなくてはいけない」と表情を引き締める。

 市は19日、工事のため立ち入り禁止としている天守閣前広場などを報道陣に公開した。最上階(6階)部の解体に22日着手する大天守では、屋根瓦を剥ぐ作業などが続いた。市は「見せる復興」を掲げており、工事の様子が透けて見える網目状のシートで囲った。

 大天守は2019年、小天守は21年に復元予定だが、城全体の復旧は約20年かかるとされる。築城の名手加藤清正が約400年前に築いた城の歴史的価値を守りつつ、先端技術を駆使した挑戦が続く。

=2017/05/20付 西日本新聞朝刊=

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