2008年6月27日

<3>生長点が大事 生きる力取り込んで

イラスト
イラスト・岸川しずか
 土に戻してもなかなか分解しない、元気で生命力あふれる部分とは、新芽の出る場所「生長点」です。キャベツ、レタスなら芯の部分、ホウレンソウ、ダイコン、ニンジンなら葉の付け根付近などにあります。というわけで、「食生活チェックシート」の2番目は「生長点こそいただこう」です。

 生ごみリサイクルで野菜を作ろうと、野菜くずを土に返した子どもたちは、捨てたはずのキャベツの芯から芽が吹き出しているのを見て、そのすさまじい生きる力に本当に感動します。

 うそだと思うなら、玉ネギを縦割りし、そのまま放置してみてください。皮のバリアーを破られた玉ネギの内部は腐敗していきますが、それでも芯の付近は腐るどころか、ぐっと頭をもたげて成長しだすんですよ。玉ネギさんのけなげな生命力に脱帽です。

 この芯は加熱したらまったく硬くありません。「なんでこんな柔らかくて元気なところを今まで捨ててたんだろう。これまで誰かに洗脳されていたのかなあ」。食べ物があなたの細胞になり、体と心をつくるのです。あなたがすぐ何かのせいにしてあきらめてしまうとしたら、その本当の理由は、野菜の中で簡単にあきらめる部分だけを食べていたからではないですか?

 夏の生長点といえば、カボチャやキュウリ、トマト、ナス、ピーマンなどのわき芽です。新しい命が吹き出ているこの部分には、たくさんの成長促進物質が生産されています。家庭菜園している方、どうぞ捨てないで自分の体に取り込んでください。和(あ)え物や汁ものの具に最適です。

 最近、野菜売り場に並び始めた「スプラウト」は、発芽して一週間ほどの盛んに生長している野菜のことで、ビタミンやミネラル、ファイトケミカルなどの宝庫です。栄養学はまだ栄養素の十分の一も発見していないといわれているのですが、未知の成分は、こんな生長点の中にあると私はみています。

 野菜は90%以上が水分。私たちはその中のごく微量な成分(生きる力)をいただいているのです。それがたっぷり詰まった皮や生長点を捨てることが、どんなにもったいないことか。

 特に家庭菜園で、小さいうちに間引いた野菜は全体が生長点のようなもの。柔らかい根っこまで全体を丸ごといただいてください。これこそが「いのちいただきます」の真骨頂。元気にならないわけがない!

 秋に出回る若いニンジンなら、葉の付け根をつけたままで、どんな料理にもOK。縦にスライスしたら、オレンジと緑のコントラストがおしゃれです。命のわき出る様子を見ながらいただくと、生きる力をもらった実感がわきます。

 「でも芯や皮が入ると、見た目に悪いし、子どもが嫌がる」。そんな不安を解消する方法は何でしょう?(大地といのちの会代表)

<続く>

=2008/06/27付 西日本新聞朝刊=

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