2009年8月 5日

農・食卓に寒い夏 日照不足に豪雨追い打ち 遅い梅雨明けの九州北部

 観測史上最も遅い梅雨明けとなった九州北部で、日照不足や大雨が農作物に大きな影響を与えている。生育が悪く、トマトやキュウリなど野菜の店頭価格は平年の2―3割高に。福岡、佐賀、長崎の3県では7月下旬の豪雨が追い打ちをかけ、農業関連の被害総額が約45億円に上った。今後も低温傾向が続くと予想されており、関係者は「収量や品質がさらに落ちる恐れがある」と心配している。

■野菜の収量減り高騰 葉物3割高、ジャガイモ2倍

 九州の中・北部では日照時間が平年の半分程度だった。収穫期に入っていた大分、熊本両県の高冷地で生産するキュウリやトマトの収量が減少。これから出荷が本番を迎える福岡、佐賀県内の露地物のナシや桃、ブドウも糖度の低下が懸念されている。

 ゆめタウンを経営するイズミ(広島市)やイオン九州(福岡市)によると、北部九州の生産の落ち込みを補う北海道や東北地方も同様の状況という。葉物野菜やニンジンなどの根菜類も平年より3割程度高く、ジャガイモは約2倍の高値になっている。

 ゆめタウンの九州地区の仕入れ担当者は「トマトの数量が通常の半分ぐらいと嘆く生産者もいる。全般的に生育が遅れていて盆明けからさらに値上がりしそう」と見る。

 豪雨の被害も深刻だ。農業関連被害は4日現在、福岡、佐賀両県で大豆を中心に計約40億円、長崎県は県北部で出荷直前のメロンなど約5億円の被害がでた。

 福岡県朝倉市では7月24日から3日間で368・5ミリ降り、7月の月間平均降水量を上回った。100ヘクタール中59ヘクタールのビニールハウスで特産の青ネギが水没。JA筑前あさくらによると、損害は計約5千万円に上る。市場価格は一時上がったものの、既に平年並みに戻っているという。

 同JAの仲山清喜・博多万能ねぎ部会長は「かつてない豪雨で手の打ちようがなかった。気を取り直して次の種をまくしかない」と話し、梅雨が明けてもすっきりしない空を見上げた。


=2009/08/05付 西日本新聞朝刊=

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