2010年5月10日

【元気野菜de元気人間(吉田俊道)】<6>論より証拠

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九大・箱崎キャンパスの畑で、生ごみをすき込む講習会参加者=3月7日

畑で育て方教えます

 「おいしい野菜は無農薬でも害虫が少ない」。前回紹介したこの話は、なかなか受け入れられない人が多いですね。仕方ありません。理想的な土を持たない人は、もし農薬をかけなかったり、虫を捕殺しなかったりしたら、ピーマンはカメムシで枯れてしまい、キャベツはアオムシにレース状に食べられてしまうのですから。無農薬でできるわけがないと思うのも無理のないことです。

 でも現実には保育園、幼稚園で、子どもたちが生ごみから無農薬で元気野菜を育てる取り組みが今、九州を中心に全国に拡大。福岡県久留米市では過半数の保育園が実践し、この驚きを体感しています。

 福岡市東区箱崎の九州大箱崎キャンパス内の畑でも、農学部の比良松道一助教の協力の下、学生と素人の市民が生ごみリサイクルをスタート。畑ではナスやキュウリ、トマト、カボチャがすくすくと成長中。害虫は多少いますが、それでも暴れ食いすることはなく、つつましく暮らしておられます。

 土が本来の生命力を取り戻すと、野菜は抗酸化力が高まり、味も良化します。元気な人が病気にかかりにくくなるのと同様、病害虫が来ても大丈夫なのです。農薬もなかったのに虫は暴れ食いせず、味があり、放置しておいてもどろどろに溶けず、干からびることが多かったのが昔の野菜。野菜が本来持っていた生命力を現代によみがえらせたい。それが私の願いなのです。

 土に触れ、食べ物を育てる体験は、かつてだれしもが持っていた食べ物を大切に感じる心と、自分で生きる自信を取り戻します。特に生ごみを土に帰すことは、自分と食べ物、そして地球とのつながりを実感し、環境問題を自分のこととして考える感覚が目覚め、土が「いとおしく」思えてくるようです。

 でも、言葉だけでは信じられない、あるいは一度やってみたけど失敗した-。そんな人のために、今月28日、箱崎キャンパスの畑で講習会をやることにしました。微生物やミネラルいっぱいの土だと、無農薬で本来どんな野菜が育つのか、納得できますし、マンション住まいで畑がない人のために、段ボールコンポストでできた堆肥(たいひ)を使った元気野菜の育て方もコーチします。
 (NPO法人「大地といのちの会」理事長)

    ◇   ◇

 ▼「元気野菜de元気人間」連載記念講演会 28日、九州大農学部箱崎キャンパス付属図書館4F。参加費500円。午後1時=講演(1)「生ごみリサイクル元気野菜の秘密」▽同2時半=野菜畑の見学会▽同3時=講演(2)「元気野菜de元気人間」▽同4時半=生ごみを畑に戻す実演会。問い合わせは事務局=0956(25)2600。

=2009/06/21付 西日本新聞朝刊=

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