【福岡】「割れては勝てぬ」 芦刈氏、市長選不出馬を表明 「議会解散何だった」批判も 太宰府市長選

「太宰府市長選に立候補しない」と表明した後、感極まった表情で市民と握手する芦刈茂氏
「太宰府市長選に立候補しない」と表明した後、感極まった表情で市民と握手する芦刈茂氏
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 太宰府市議会から2度にわたる不信任決議を受けて失職しても「市長選に出る」と繰り返し明言してきた前市長の芦刈茂氏(68)が13日に突然、市民団体主催の「市長選立候補予定者との討論会」の席上で出馬断念を表明した。何がその決意を変えさせたのか。

 芦刈氏はこの日、前市教育長の木村甚治氏(64)と元衆院議員の楠田大蔵氏(42)がそれぞれ、会場の市民と質疑応答をした後、最後に登場。反省点や今後の課題について身ぶり手ぶりを交えて熱弁を振るった。

 「私にはこの街の未来に責任がある」。質疑応答の終盤、会場を埋めた市民約100人の前でそう切り出した芦刈氏は「太宰府には改革の『黒船』が必要。しかし、市民派が二つに割れては木村氏に勝てない。若い楠田氏に期待したい。私は出ません」と表明した。

 会場から「えー」と驚きの声が上がる中、芦刈氏は続けた。「市の前助役に市民派の男性と女性が挑んだ2007年の市長選は前助役が当選したが、市民派2人の得票を足せば勝っていた」

 旧体制への回帰阻止のため、と苦渋の決断を強調した形の芦刈氏。一方で市長失職後、かつての支持者らの離反が相次いでいた。市長選への出馬表明後に集会を開いても出席者が10人足らずの日も珍しくなかった。

 突然の断念について、木村氏は「出馬断念ですか」と驚いた様子。「今となっては私から言うことは何もない。もう批判はしない。選挙で頑張ります」と話した。楠田氏は「芦刈氏と選挙協力の話は全くしていない」と強調した上で「選挙戦は混乱を招いた当事者と、当事者でなかった私が争う構図で、2人になっても変わらない」としている。

 市議会の橋本健議長は「なぜ今、なのか。昨年の市議会解散は何だったのか。自分のことしか考えない芦刈氏に怒り心頭だ」と批判。市民団体「住みよい太宰府を作ろう かい」の観世広相談役は「出馬する2人は市民の声に耳を傾け、疑問や不安に応える政策を丁寧に語りかけてほしい」と望んだ。

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市長選候補予定者集会 14日に予定通り開催

 太宰府市民有志でつくる「選挙と市政を考える市民の輪」は14日午後5時から、市総合体育館で「市長選候補予定者を囲んでくるま座集会」を予定通り開催する。立候補を予定している前市教育長の木村甚治氏と元衆院議員の楠田大蔵氏が出席。13日に不出馬表明した前市長の芦刈茂氏はあいさつだけを行う予定。

=2018/01/14付 西日本新聞朝刊=

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