【福岡】北橋氏4選、自民が事実上支援へ 多選批判の動き不発 北九州市長選 選挙強さ、与党との関係評価

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 北九州市長選を巡り、北橋健治氏(65)の3期目の市政運営を支えてきた市議会最大会派の自民党市議団が12日、4選への立候補を支援することを事実上決めた。北橋氏は民主党(当時)などの推薦を受け初当選後、「4選以上出るべきでない」と明言していて、自民党内でも対抗馬を模索する動きがあった。ただ、選挙戦にたけ、同市議団など市議会与党3会派と良好な関係を築く北橋氏が4選への意欲を高める中、流れを覆すには至らなかった。

 「お願いします」。10月4日、北九州市内であった北九州商工会議所の利島康司会頭の叙勲祝賀会。発起人として訪れた麻生太郎副総理兼財務相に、「反北橋」を掲げる地元経済人がある人物の名を挙げ市長候補とするよう直訴した。スペースワールド閉園などで、北橋市政への不満が一部でくすぶっているからだ。

 一方で同じ日、自民党市議団は市内で「北橋氏支持でまとまってきた」と、県連幹部に報告した。

 4年前の市長選。かつて民主党衆院議員だった北橋氏は政策推進のため、政府与党とのパイプを求め、自民党の単独推薦を受け入れ臨んだ。

 当時も今回も自民党候補の擁立にこだわったとされる麻生氏だが、同氏周辺は10月末、「地元市議団がまとまるのが大事。上から指示することではない」と事実上、「北橋容認」を宣言し、福岡県知事選に注力する姿勢を示した。

 「麻生氏は(衆院福岡)8区の人。北九州市を選挙区とする9、10区からすると、なんで口を出すのか」。麻生氏側の姿勢の変化には、地元市議や国会議員らの不満が背景にあったという。市長選を巡っては今春以降、市議や県関係者、官僚らの名前が挙がったが、北橋氏の対抗馬の本命になることはなかった。

 北橋氏の支持を事実上決めた自民党市議団の12日の会合。片山尹(おさむ)団長は終了後、記者団に「よくやってもらっている。今後も応援する」と明言。「北橋市長より悪い、ぐちゃぐちゃな市長になったら困る。それに尽きる」と話した。

 政令市長選では公認、推薦を3期までとする自民党。4選を目指す意向の北橋氏を党として応援することはできないため、市議団として北橋氏支援でまとまることが重要だった。残る市議会与党会派の公明党市議団、ハートフル北九州も自民党市議団に歩調を合わせ、北橋氏が掲げる「市民党」に相乗りしつつ、3期目と同様の協力態勢を維持したい意向だ。

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 「公約破り」どう説明

 北九州市長選で4選を目指す北橋健治氏にとって、2007年の初当選時から批判してきた首長の「多選」に自ら挑むことを、どう説明するかが最大の関門となる。4選出馬の意欲が高まるに従い、多選に関する北橋氏の発言内容は徐々に変化してきた。

 「多選の禁止」を掲げて初当選した07年。北橋氏は公約に「長くても3期までとする条例を提出する」と明記した。10年の市議会2月定例会でも「4選以上は出るべきではないということは政治信条として貫く所存」と答弁したが、条例化されることはなかった。

 「1期目の選挙は激烈。いろんなことをお互いに言い合うもの」。4選出馬が取りざたされてきた18年8月の定例記者会見での発言は、「公約破り」(自民党市議の一人)とも受け取れる内容に変わった。市議会9月定例会では、「2期目は(公約に)取り上げていない」と説明し、批判をかわそうとした。

 「4選出馬へ」の報道があった10月上旬、「やるべき仕事をしてバトンを譲るのも大きい。このままでは道半ばで投げ出す形になりかねない」と発言。多選批判を受けてでも、出馬する意向を示した。

=2018/11/13付 西日本新聞朝刊=

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