【福岡コンフィデンシャル】自民、参院選「2人目」論に創価学会激高

自民党県連選対委員会後に開かれた「大家敏志政経フォーラム」で乾杯をする麻生太郎財務相(右端)ら=9日午後、北九州市小倉北区
自民党県連選対委員会後に開かれた「大家敏志政経フォーラム」で乾杯をする麻生太郎財務相(右端)ら=9日午後、北九州市小倉北区
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 知事小川洋の3選出馬への決意をただすべく準備をしていた公明党県議団は、10日の県議会代表質問の直前になってトーンダウンした。それに合わせるように「できる限り早い時期に決めたい」とお茶を濁した小川。このやりとりの裏側では、小川の出馬表明を巡る自民、公明両党の激しい攻防が繰り広げられていた。

 出馬意向を固め、表明の機会をうかがう小川。だが、県議会最大会派の自民県議団は、対抗馬擁立に執念を燃やす副総理兼財務相の麻生太郎に歩調を合わせ、7日の代表質問で水も向けなかった。それどころか、自民県議団幹部は12月県議会開会前の2日、公明県議団幹部に「出馬の決意を問うのは時期尚早だ」と質問しないよう迫った。

 「3選出馬を巡る報道が相次ぐ中、公党として当然聞くべきだ」。公明としては早く小川に出馬表明してもらい、来夏の参院選福岡選挙区(改選数3)に出馬予定の公明党公認候補とセットで活動することで浸透を図りたい狙いがある。

 だが、公明の前のめりな姿勢に自民は容赦なく揺さぶりを掛ける。麻生が主張する参院福岡選挙区での自民候補2人擁立論だ。もし自民が2人立てれば公明候補が当選ラインからはじき出される可能性が高まる。公明にとっては「絶対に避けたい構図」だ。

 公明は参院選で候補を擁立する全国5選挙区で自民に推薦要請しているが、関係者によると、自民は福岡知事選を巡る状況を理由に7日の決定を先送りした。

 ただ、公明にも「対抗策」がある。麻生の2人擁立論について10日に報告を受けた支持母体創価学会の主任副会長、山本武は怒りを押し殺した。「自民が本気で福岡に2人目を出すというなら、九州の他県の選挙区は全て推薦をしない」

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 現職優先の形は取らない-。9日午後、北九州市内で開かれた自民県連の選挙対策委員会。終了後の記者会見で委員長の参院議員・大家敏志は、小川推薦の可能性について「残されてはいるが厳しい意見は多かった」と述べた。

 小川はどう受け止めたのか。9日夜、相談を受けた関係者は心中を推し量る。「知事はやはり自民推薦がほしい。まだ横並びの一人に入っている。いま表明して完全に排除されることが不安なようだ」。小川が出馬表明を見送った10日、自民県連幹部は「賢明な判断だ」と満足げだった。

 公明を揺さぶり、小川をけん制する自民だが、光明が見いだせている訳ではない。小川周辺からは強硬論も漏れる。「自民の策に応じる必要はない。会見で表明すればいい」 (敬称略)

=2018/12/11付 西日本新聞朝刊=

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