【福岡】新人続々、福津市議選活況 人口増「新住民の声届ける」 1月13日告示、なり手不足に風穴

JR福間駅(左の建物)を中心に、現在もマンション建設が続く福岡県福津市
JR福間駅(左の建物)を中心に、現在もマンション建設が続く福岡県福津市
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 全国で地方議員のなり手不足が深刻化する中、来年1月13日告示の福岡県福津市議選(定数18)には26人が立候補する見通しだ。このうち新人は15人で、立候補予定者に占める割合は約58%。宮崎・鹿児島を除く九州5県で今年行われた16市議選で最も高かった1月の福岡県糸島市議選の50%を上回る。現職の約3分の1が引退の意向であるのに加え、近年の人口増を受け、「新住民の声を市政に」との声が広がっていることが背景にあるとみられる。

 12月中旬、市中心部のJR福間駅。現職1人と新人3人が階段下や改札口前で、のぼりやリーフレットを手につじ立ちした。「まず顔を覚えてもらわんと」。新人男性(64)は支持拡大に向け、新たに移り住んだ若い人も意識する。

 福岡、北九州両政令市の中間に位置する福津市は、通勤の便の良さからベッドタウンとして成長。近年、駅周辺を中心にした再開発が進み、人口はこの4年で10%ほど増え約6万4400人。都市を対象とした東洋経済新報社の「住みよさランキング」では、公園の広さなどの快適度が高い評価を得て九州で2017、18年と連続1位になった。

 「量販店で材料を買い、子どもも一緒に選挙に向けたPR看板を作る。お金をかけず皆で相談し合い進める-。これが私たちが求める政治」。小学生の息子を育てる新人女性(42)は話す。約7年前、関東から移住。地縁血縁はない。同じ子育て中の「ママ友」らを連れだっての活動が、古くからの住民には目新しく映っているように感じる。

 最年少の新人男性(30)も移住組の一人。「同じ移住者の若者が空き家対策などでまちづくりに関わるのを見て、感化された」と出馬を決めた。

 新人を含め多数の候補が立ち、活発な論戦が展開されそうな福津市議選のような議員選挙は珍しい。今年の地方選のうち、佐賀県神埼市議選(定数20)は無投票。宮崎県五ケ瀬町議会(定数9)の補欠選挙(被選挙数1)は立候補者ゼロで欠員1を解消できなかった。人口減や過疎に伴う小規模市町村の議員不足を巡り、なり手の確保に向け、国は議員の兼業・兼職規制の緩和などを検討中だが、抜本的な解決策となるかは見通せない。

 来年の福津市議選に立候補することを決めたベテラン現職(72)は「これまでになかった動き。住みやすい街にとの思いで、多くの人が議員を目指すのはよいことだ」と受け止める。新人男性(39)は「若い世代の出馬で投票率を上げたい。議会に新しい風を送り込む」と力を込めた。

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自治体変革の契機

 九州大大学院法学研究院・嶋田暁文教授(行政学)の話 新人の大量立候補が18歳以上を含む若年層などの投票率向上に結び付き、議会や市政に対する市民の関心が高まれば、自治体変革の契機になるのではないか。

 議員選挙は新人が多い場合、主要争点を巡る各候補の態度や主要政策、人柄が明らかになる公開討論会などを開くことが望ましい。有権者は活発な立候補状況を意味あるものにするために、まず選挙に行くことが重要だ。

=2018/12/28付 西日本新聞朝刊=

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