【福岡】大木町長選22日告示 交流人口増が浮揚の鍵

交流人口拡大の拠点として期待される大木町地域創業・交流支援センターWAKKA
交流人口拡大の拠点として期待される大木町地域創業・交流支援センターWAKKA
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 大木町長選が22日、告示される。現職の石川潤一町長(66)は立候補せず、3期限りで退任。今のところ、無所属新人で元副町長の境公雄氏(61)のみが立候補を表明している。町はごみの再資源化を推し進める「循環のまちづくり」で知られるが、人口減少や基幹産業の農業の担い手不足など課題も多い。現状を探った。

 昨年10月、同町北部の大溝地区。町内外から集まった家族連れなど約650人が、赤や黄色のケイトウの花が咲き誇る約8・5キロのコースをにぎやかに歩いた。

 一行は、町が2005年から年1回開催する「さるこいフェスタ」の参加者。住民が町内を縦横に巡るクリークで採れたヒシの実や、クシナシで着色した黄色いご飯などでもてなした。町によると、フェスタは14回開き、累計約5300人が参加した。筑後平野の豊かな自然や景色に引かれてリピーターも増えていて、企画課の担当者は「田園の町の魅力は十分伝わっている」と手応えを語る。

 町は面積の14%がクリーク、56%は農地という農村地帯。西鉄沿線に位置し、久留米市や福岡都市圏のベッドタウンでもある。05年、庁舎位置などを巡り隣接する大川市との合併協議が破綻、単独の道を歩む。

 基幹産業は農業だ。特に力を入れるイチゴの販売額は約10億7400万円、エノキ、シメジなどのキノコ類は約25億5400万円(ともに15年産共販分、JA福岡大城調べ)と県内有数の産地だが、高齢化による担い手不足に直面している。専業農家は170戸(1980年)から30年で、139戸(2010年)に減った。農協を通じた系統出荷が主体のため、農家の所得向上につながりにくいという課題もある。

 町の人口は1975年以降増加傾向にあったが、2012年をピークに減少に転じた。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、現在の人口約1万4300人は60年には1万1千人近くに減るとみられ、人口減対策は最大の課題となっている。

 そうした中、町が仕掛けるのがさるこいフェスタなどの交流人口の拡大策だ。観光地点に乏しい町は昨年4月、「道の駅おおき」の隣接地に総事業費約1億1900万円で町地域創業・交流支援センターWAKKA(わっか)を開設した。

 町は農業をはじめとした産業振興や新規就農を含む起業支援、定住促進の拠点と定め、販路開拓を兼ねて食や野菜の収穫イベントを催している。

 一方、官民一体で取り組むごみの減量・再生化は、16年度のリサイクル率が66・7%と全国7位の好実績を上げ、町のイメージアップにつながっている。町幹部は「環境意識の高まりが町民の一体感を強め、まちづくりに生きる」と話す。

=2019/01/19付 西日本新聞朝刊=

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