【佐賀】鳥栖駅周辺整備どう具体化 市長選10日告示

西側にしか改札口がないJR鳥栖駅。周辺整備が鳥栖市の懸案になっている
西側にしか改札口がないJR鳥栖駅。周辺整備が鳥栖市の懸案になっている
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 任期満了に伴う鳥栖市長選が10日に告示される。2015年の国勢調査では県内10市で唯一、人口が増えている同市だが、JR鳥栖駅周辺整備や企業進出用地の確保など懸案も少なくない。今後も発展を続けることができるのか。課題を追った。

◆駅東口の設置

 「目前の駅ホームなのに、5分も余計にかかる」。改札口が西側にしかない鳥栖駅。駅東側に住む女性(69)は渡線橋「虹の橋」を渡りながら不満を漏らす。福岡県久留米市への通勤のため週4回同駅を使う。「駅東口があれば便利なのに…」。駅東にはサッカーJ1サガン鳥栖のホームスタジアムもあり、虹の橋は試合時、観戦者で混雑する。

 市は昨年11月末、虹の橋の架け替えによる新たな自由通路設置と橋上駅化を柱とする駅周辺整備基本計画を発表したが、同12月3日に突然、「事業費124億円は財政を圧迫する」と撤回した。

 市民には「改札口からホームを結ぶ現在の地下通路を東側まで延ばせばいい」という声があるものの、JR九州の青柳俊彦社長は1月の定例会見で、「(駅の東西連携は)橋上駅化がリーズナブルと判断している。地下通路延伸は困難。再検討はしない」と述べた。駅周辺整備について「鳥栖市から話があれば再協議する」と青柳社長。だが、市もJRも具体策を打ち出すには時間がかかりそうだ。

◆交通混雑緩和

 九州自動車道や長崎自動車道が交わり「交通の要衝」と呼ばれる同市だが、国道3号や34号など市内の大半が片側1車線。狭い県・市道も多く、混雑は市民の悩みの種だ。昨年7月6日の大雨時は、通行止めになった高速道から車があふれ、各地で大渋滞が起きた。

 国は2008年、国道3号の同市姫方町-酒井西町間2・4キロの4車線化を決め、17年度に曽根崎町の700メートルの事業に着手したが、完成時期は未定だ。国道34号についても、沿線5市町で国にバイパス設置を要望しているが、実現のめどは立っていない。

◆企業進出用地

 「交通の便が良い鳥栖は、用地があればもっと企業進出が見込めるのに」と鳥栖商工会議所幹部がこぼす。市内には6カ所の産業団地があり、これまでに201社と進出協定を結んだ。だが、現在分譲している市有地は鳥栖西部第二工業用地の1区画(0・9ヘクタール)のみ。年30社ほどの進出希望には民有地を探して紹介する。15年度以降、市への新規進出は4社にとどまる。

 新たな産業団地として、県と市が同市幸津町で「新産業集積エリア整備事業」を進めているが、用地買収の際の農地法違反が発覚し、分譲開始は見通せない。

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 鳥栖市長選はいずれも無所属で、4選を目指す現職の橋本康志氏(63)と同市の元市民環境部次長で新人の槙原聖二氏(54)が立候補を表明。一騎打ちとなる公算が大きい。

 立候補届け出は午前8時半~午後5時、市役所で受け付ける。期日前投票は11~16日の午前8時半~午後8時、市役所で。投票は17日午前7時~午後8時、市内23カ所で行われ、同9時から同市宿町の市民体育館で開票される。

 選挙人名簿登録者数は5万8206人(昨年12月16日現在、市選管調べ)。

=2019/02/09付 西日本新聞朝刊=

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