倍率7000倍 カラー電子顕微鏡 世界初、九産大開発 がん診断進歩に期待

九産大が開発したカラー電子顕微鏡。光学顕微鏡(左)と電子顕微鏡(右)を一体化した
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カラー電子顕微鏡でとらえたネズミの十二指腸の上皮細胞。赤く染色された免疫細胞が鮮明に分かる
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 福岡市東区の九州産業大医療診断技術開発センター(所長・礒部信一郎同大物質生命化学科教授)は18日、有効倍率7千倍の高倍率で観察できるカラー電子顕微鏡を世界で初めて開発したと発表した。蛍光色素を併用することで細胞の状態をより詳しく調べることが可能となり、がんや感染症の新たな診断や新薬開発に貢献できるという。2年後に2万倍まで性能を高め、製品化を目指す。

 有効倍率が約千倍と低いもののカラー画像の光学顕微鏡と、倍率は高くても色を識別できない電子顕微鏡を組み合わせて開発。それぞれ撮影した画像の合成処理により、高倍率のカラー化に成功した。

 蛍光色素は医療診断分野で細胞の一部やタンパク質を異なる色に光らせ、観察するのに役立つ。電子線や光が当たると色が消えてしまう弱点があったが、礒部教授は室温で10年以上、退色せずに長期保存できる新たな蛍光色素も開発した。

 礒部教授は「蛍光色素とカラー電子顕微鏡を組み合わせることで、高倍率の観察が継続できる。医療の基礎研究や臨床データの解析などに貢献していきたい」と話している。


=2016/03/19付 西日本新聞朝刊=

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