骨と同じ成分の人工骨を開発 九大など薬事承認得る インプラント治療に活用

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 九州大大学院歯学研究院の石川邦夫教授(生体材料学)らのグループは、骨の主成分である「炭酸アパタイト」と同じ成分の人工骨を世界で初めて開発したと発表した。歯科インプラント(人工歯根)用に使える人工骨として昨年12月に薬事承認を得られ、2月21日に国内販売を開始。顎骨欠損部に埋め込めば速やかに骨に置き換わるという。

 インプラントは一般的に人工歯根を顎骨に埋め込み、その上に人工の歯をかぶせる。顎骨が欠損していると、別の部位の骨を移植する必要があり、患者の負担が大きかった。

 人工骨としては既にヒトの骨の成分に近い「水酸アパタイト」がある。ただ、骨に置き換わらないなどの問題があり、歯科ではインプラント用の薬事承認が得られていなかった。

 研究グループは、カルシウムやナトリウムの化学反応で顆粒(かりゅう)状の炭酸アパタイトを開発。顆粒を骨欠損部に詰め、上皮を縫合するだけで、既存の骨が周辺で新生されるとともに、顆粒そのものも骨に置き換わるという。実際のインプラント治療22症例の全てで骨に置き換わっていた。

 インプラント治療では、鼻の横に上顎洞と呼ばれる空洞があるため、上顎の奥歯などの治療は難しいとされてきたが、この顆粒状の人工骨を用いれば治療可能となる。石川教授は「身体への負担が減り、骨が痩せている高齢者でも、インプラント治療が受けやすくなるだろう」と話している。

=2018/03/05付 西日本新聞朝刊=

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