はしか拡大 九州警戒 福岡県内で9人感染確認 予防接種呼び掛け

 沖縄や愛知を中心に広がっているはしかは15日までに、全国で150人以上、福岡県では9人の患者が確認された。九州では同日現在、福岡以外の6県で発生報告はないが、各県とも「いつどこで広がってもおかしくない」と危機感を強めている。

 国立感染症研究所によると、はしかはウイルス感染後10~12日間の潜伏期間を経て、高熱やせき、発疹などの症状が出る。空気感染し、感染力はインフルエンザの10倍程度で、発疹が出る前が最も強いという。

 海外で感染したとされる台湾人旅行客を発端に沖縄で3月以降98人が感染し、愛知、東京にも広がっている。同研究所によると、患者は今年に入って5月6日までに12都府県で確認された。ただ、福岡は沖縄や愛知などを訪れたことがない20代男性から広がっており、感染ルートは不明。

 各県は「海外も含め、これだけ往来が頻繁だと拡大のリスクは高い」(熊本県健康危機管理課)と警戒。特に、大型連休から10日がたち、旅先で感染していれば潜伏期間を終えて発症する人が増える恐れがあり「旅行後に体調に異変がある人は、訪問先や症状などを事前に電話してから受診してほしい」と注意喚起する。

 予防にマスクや手洗いなどは効果がなく、唯一ワクチン接種が有効。感染症に詳しい福岡県医師会の稲光毅理事(小児科)は「定期接種の対象の子ども(1歳と小学校入学前)はすぐにでも接種してほしい」。また、20代後半から40代半ばは接種が1回で免疫が不十分な人もいるため「医療機関や幼稚園・保育所などで働く人、流行地を訪問する人は接種歴を確認し、2回接種した方がいい」と呼び掛けている。

 ●半数 病院で感染? 県が対策本部

 福岡県は15日、短期間にはしかの発症例が相次いだことを受け、感染症危機管理対策本部を設置した。同日夜には新たに3人の発症が確認されたと発表。県内のはしか発症者は例年数人だが、今年は既に9人となり、感染拡大の懸念が強まっている。

 県によると、9人のうち5人は同県春日市の20代男性から感染した可能性が高い。男性は今月1日に医療機関を受診したが、医療機関の待合室や別の小売店で男性と偶然居合わせたとみられる30代男女、10代男性、3歳男児の4人が相次いで発症。15日に発症が確認された福岡市城南区の生後2カ月の女児も、同じ日にこの医療機関の待合室にいたという。

 15日に発症が確認されたのはほかに同県大野城市の20代女性と春日市の
30代女性。このうち大野城市の女性は入院している。

 同日開かれた対策本部の初会合には、福岡市や北九州市などの担当者も参加。
医療機関に院内感染防止を注意喚起することや、関係機関との情報共有を徹底することなどを確認した。

 県がん感染症疾病対策課は「発熱や発疹など異常があれば医療機関にすぐ連絡し指示に従ってほしい」としている。

=2018/05/16付 西日本新聞朝刊=

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