制がん剤、同時投与で効果倍増 熊大・前田名誉教授ら新手法 マウスで実験、2-5倍確認

 熊本大の前田浩名誉教授(79)や崇城大(熊本市)などの研究グループは、生体に無害なアミノ酸のアルギニンや有機化合物のニトログリセリンなどを高分子制がん剤と同時に投与すると、治療効果が2~5倍に上がることをマウスなどを使った実験で確認し、3日付の米がん学会機関誌に発表した。

 前田氏は、高分子の薬剤ががん組織に集まりやすく、蓄積されやすいという「EPR効果」を発見し、1986年に米国の雑誌で発表。「ピンポイント攻撃」という制がん剤の新たな基本概念を提案した。

 今回は、がん組織の血管が詰まりやすいことに着目。大腸がんのマウスや乳がんのラットなどに、血管拡張や血流回復の効果があるアルギニンやニトログリセリンを、高分子制がん剤と同時に静脈注射で投与することで、EPR効果が増大することを確認した。

 具体的には、アルギニンなどを併用しなかったマウスやラットに比べて、がんに到達する薬剤の濃度が2~3倍、腫瘍が縮小する効果が2~5倍それぞれ高くなったという。

 3日、熊本市で記者会見した前田氏は「制がん剤ががん組織に集中する分、副作用の軽減も期待できる」と強調。実用化に向けて、国内外で臨床試験を行いたいとしている。

=2018/12/04付 西日本新聞朝刊=

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