「認知症 早期発見を」 飯塚医師会が市民公開講座 鳥取大の浦上教授が講演

認知症をテーマに開かれた飯塚医師会の市民公開講座
認知症をテーマに開かれた飯塚医師会の市民公開講座
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 飯塚医師会(松浦尚志会長)は2日、飯塚市吉原町の飯塚医師会館で、認知症に関する市民公開講座を開いた。アルツハイマー型認知症の早期発見システムの開発などで知られる鳥取大医学部の浦上克哉教授が「認知症予防の最新情報」と題して講演し、約150人が耳を傾けた。

 浦上氏は「少し前のデータになるが認知症は全国に約462万人、予備軍が約400万人いる」と紹介し、多くの人が「老化現象が原因の怖い病気」と考えているが、「誤解だ」と強調。「認知症は単なる老化現象ではなく脳の病気。20~30年かけてゆっくりと進行するため、早期発見、早期診断のチャンスはいくらでもある」と訴えた。

 早期発見のため、「物忘れ」段階での医師への相談を勧めるが、内容の一部を忘れたり、人の名前が出てこなかったりする状態は「単なる物忘れ」と指摘。内容を全部忘れたり、今まで使用していた電化製品が使えなくなったりすることなどが「認知症」だと説明した。

 物忘れは増えているが日常生活に支障がない状態を軽度認知障害(MCI)と呼び、「MCIは認知症の前段階。この状態で予防に取り組めば、5割は認知症にならないようにできる」と述べた。

 予防策として、運動、人とのコミュニケーション、短歌や川柳などを挙げた。楽しく長続きすることが大切で、運動に加えて、頭を使う知的活動が不可欠だと指摘した。

 認知症患者の半数以上を占めるとされるアルツハイマー型認知症に関しては、物忘れより先に、においが分からなくなる嗅覚障害が生じると説明。アロマの香りによる嗅神経への刺激が認知症予防に役立つことも紹介した上で、「昼はローズマリー、夜はラベンダーなど使うアロマは異なる。いずれも無農薬栽培した植物から抽出された本物のオイルを使うことが重要だ」と呼び掛けた。

 また、講演会では認知症に詳しい柴田美恵子医師を座長にパネルディスカッションがあり、飯塚病院検査技師の樋口雄哉さん、飯塚記念病院作業療法士の平岡敏幸さん、たていわ病院管理栄養士の中島美咲さんらが、それぞれの立場から現状を報告した。

=2019/03/06付 西日本新聞朝刊=

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