がん患者にどう接する? 傷つく言葉とは…退院時に「治って良かったね」はダメ?経験者が解説

がん患者との接し方についての本を出版した桜井なおみさん
がん患者との接し方についての本を出版した桜井なおみさん
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 乳がん経験者で、がん患者の就労を支援している一般社団法人「CSRプロジェクト」(東京)代表理事の桜井なおみさん(51)が「あのひとががんになったら-『通院治療』時代のつながり方」を出版した。患者の思いを解説し、家族や友人、同僚などそれぞれの立場でどう接すればいいかを助言している。

 近年は薬や治療の進歩などで入院期間が短くなり、社会生活を送りながら治療を続ける人が増えた。このため、治療中の患者と接する機会が増え、コミュニケーションに悩む人が増えているという。「具体的な接し方が分かる『取扱説明書』のようなものが必要だと考えた」と桜井さん。

 桜井さんが提案する関わり方の基本は「普段通り」。その上で、家族、友人、職場の仲間など立場別に患者へのサポート方法を紹介。患者向けにも周囲への気持ちの伝え方などをアドバイスしている。

 例えば、退院した際に安易に「治って良かったね」と言うのは、治療が続く人が多いため、適切ではない。言われて傷つきやすい言葉は「かわいそう」「病は気から」、うれしいのは「私たちが付いているから大丈夫」など、寄り添う気持ちがこもった言葉だという。「頑張れ」は、関係性やタイミングによっては「まだ頑張らなければならないの?」と受け止められかねず、「もろ刃の剣」だそうだ。

 がん医療の現状、法律や制度についても触れている。桜井さんは「2人に1人ががんになる時代。周りの誰かがいつがんになってもおかしくない。患者の気持ちを知ることで、病気についても理解しやすくなる」と話している。1404円。中央公論新社=03(5299)1870。

=2018/06/04付 西日本新聞朝刊=

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