終末期医療に意思表示 「私のリビングウイル」かかりつけ医が配布

写真を見る

 もし意識や判断能力の回復が見込めない状態になったら-。日本臨床内科医会が終末期にどのような医療を望むかを記す小冊子「私のリビングウイル~自分らしい最期を迎えるために」を作成し、かかりつけ医を通して配布している。福岡県では1月から、県内科医会が中心となって普及を進めている。

 冊子は、病気や事故で意識の回復の見込みがなくなった場合に望む医療行為として「人工呼吸器、心臓マッサージなど生命維持のための最大限の治療を希望する」「継続的な栄養補給は希望しないが、点滴などの水分補給は希望する」「水分補給も行わず、最期を迎えたい」など五つの選択肢から一つを選ぶ形で意思を示す。本人や家族のほか、かかりつけ医などの医療者の署名欄も設け、定期的に書き直す工夫もある。

 配布の中心となっている長尾哲彦理事(61)=写真=は、胃ろうなどの治療を施す中で、大半は本人と家族双方の意向を尊重できたが、家族と絶縁状態で本人の意思が分からない高齢者、本人の意思を尊重するよりも年金給付だけを目当てに延命治療を望む家族もいたという。「死ぬことは人生の総決算。元気なうちに家族や主治医とじっくり話し合った上で希望を示しておいてほしい」と呼び掛ける。

 約2千部を用意。必ず医療者の説明を受け、よく理解してから署名してもらいたいとの思いから、原則として医師を通して有料で配布している。「希望者はかかりつけ医に相談してほしい」としている。

=2019/03/11付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]