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「再生先進事例」に油津商店街戸惑う 日南市 29テナント進出、全国で紹介… 既存の店「経営厳しい」 [宮崎県]

地方創生の先進事例として視察が相次ぐ宮崎県日南市の油津商店街
地方創生の先進事例として視察が相次ぐ宮崎県日南市の油津商店街
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 宮崎県日南市中心部に立地する油津商店街は、バブル崩壊後に閉店が増えたが、2013年に市が公募した「再生請負人」の力もあり、IT企業や飲食店など29のテナントが新たに進出、人通りが戻った。安倍政権が掲げる看板施策、地方創生の先進事例としても紹介され注目を集めるが、地元には戸惑いも見られる。

 「自治体の情熱が伝わる先駆的な取り組みだ」。9月に視察に訪れた梶山弘志地方創生担当相はこう評価した。16年度は全国から官民合わせて600人以上が視察に訪問。ただ注目されるのは進出したIT企業など一部テナントだけ。商店街で長年リサイクルショップを営む清水俊昭さん(70)は「行政は人集めにしか興味がないのではないか。古い店には見向きもしない」と不満げだ。

 父から陶器店を継いだ谷口章子さん(55)は、子どもがいないため「いずれ商売をやめないといけないかも」と不安を募らせる。高齢のため店舗を取り壊すことを決めた店主も多い。中小企業庁が実施した15年度の調査によると、全国約6割の商店街が後継者不足の問題を懸念項目に挙げた。

 油津商店街では活気が戻りつつあるが、バブル期と比べると売上高は回復の途上だ。商店街で生花店を営む歌津浩一さん(53)は「経営の内情は厳しい。景気が良くならないと変わらない」と嘆く。

 商店街再生事業を手掛ける油津応援団の黒田泰裕さん(64)は「若者を呼び込まなければ地方に将来はない」とし、民間と行政が連携を深めて政策を迅速に展開できる環境づくりが重要だと指摘した。

=2017/10/28付 西日本新聞朝刊=

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