観光未来基金を創設 ラグビーW杯や東京五輪の誘客強化 県当初予算案 [宮崎県]

宮崎県の当初予算案を説明する河野知事
宮崎県の当初予算案を説明する河野知事
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 宮崎県が15日発表した総額5817億9千万円の2018年度一般会計当初予算案では、19年のラグビーワールドカップ日本大会や20年の東京五輪・パラリンピックといったスポーツの大型イベントが続くことを受けて、誘客を強化する「観光みやざき未来創造基金」(20億円)を創設した。恵まれた観光資源に加え、各種スポーツの合宿誘致や誘客対策を強め、観光地としてのブランド力向上を狙っている。

 「今まで観光面の予算が十分確保できなかった。スポーツ文化のチャンスの時期に、観光に積極的に取り組む、一つの旗を立てた」

 河野俊嗣知事は基金創設の狙いをこう説明。各部局の予算はあらかじめ上限を設けるシーリングがあり、観光振興に限った事業の積み増しは難しいという。このため基金方式とし、短期間で集中的に取り組む姿勢を示した。事業期間は5年間とし、18年度は3億3600万円を事前合宿誘致などに充てる。

 当初予算全体で重点施策としたのは「人材育成・確保と中山間地域対策の強化」「文化・スポーツを生かした地域づくり」「地域経済をけん引する産業づくり」-の3点。緊急課題である若年層の県外流出対策では、移住やUIJターン強化、インターンシップ拡大など6億4100万円の事業費を確保した。

 一方、編成作業では今年も約200億円の財源不足に陥り、貯金である財政関係2基金から穴埋めした。今後も、26年に県内で開催予定の国体に向けた競技施設整備や、団塊世代が75歳以上になり社会保障費が増える「2025年問題」の対応が避けられない。経常収支比率も92・2%(16年度)で自由に使える財源は少ない。既存事業の磨き直しや投資効果のある分野の見極めなどが引き続き求められる。

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■吉都、日南線維持へ補助 レストラン列車など企画

 宮崎県は新年度一般会計当初予算案に、乗客が減るJR吉都線(吉松-都城)と日南線(南宮崎-志布志)の路線維持に向け、沿線地域外の需要を掘り起こす事業費約900万円を計上した。ともに3月のダイヤ改正で減便や運行区間短縮の対象となったが、将来の廃線を避けるには利用促進が不可欠と判断したという。

 事業は沿線市町でつくる両路線の利用促進協議会が実施し、県が補助する。

 吉都線は乗客が列車内で弁当を食べ、終点の駅に到着後はバスで観光名所を巡りながら始発駅に戻る「レストラン列車」を企画。路線名から「きっと勝つ」「受験に効果がある」とPRし、駅の記念入場券を発売して購入者に絵馬を贈ることも計画している。

 日南線は外国クルーズ船が油津港に多く寄港することから、観光列車「海幸山幸」をチャーターして船客を乗せ、国指定天然記念物の野生馬が生息する都井岬(串間市)を巡るツアーを企画。両路線とも有識者などによる「地域鉄道応援団(仮称)」をつくり、利用促進策を考える。

 吉都線と日南線は、1日の1キロ当たり平均利用人数を示す輸送密度が九州でワースト2位と3位。県総合交通課は「沿線外の需要を掘り起こす事業は初めて。路線維持にはより利用促進が必要だ」としている。

=2018/02/16付 西日本新聞朝刊=

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