「赤毛のアン」が世界初のオペラに 宮崎市で25、26日に上演 [宮崎県]

オペラ「赤毛のアン」の本番に向けて稽古する出演者たち
オペラ「赤毛のアン」の本番に向けて稽古する出演者たち
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モンゴメリ財団が、オペラ「赤毛のアン」の制作・上演を許可した書類の一部。宮崎県オペラ協会が2020年3月までの5年間、赤毛のアンのオペラ作品を制作・上演することを、許可している(画像の一部を加工しています)
モンゴメリ財団が、オペラ「赤毛のアン」の制作・上演を許可した書類の一部。宮崎県オペラ協会が2020年3月までの5年間、赤毛のアンのオペラ作品を制作・上演することを、許可している(画像の一部を加工しています)
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 宮崎県オペラ協会(地村俊政会長、宮崎市)が計画発表から10年をかけて制作したオペラ「赤毛のアン」が、8月25、26の両日、宮崎市のメディキット県民文化センター(県立芸術劇場)で上演される。毎年、世界各国でミュージカル版が上演される中、オペラ化は世界初。合唱団やオーケストラも含め総勢約80人がオペラ「赤毛のアン」の本番に臨む。

 L・M・モンゴメリの小説「赤毛のアン」は、孤児だった少女が、カナダ・プリンスエドワード島の兄妹の家に引き取られ、住民や友達らと出会い、成長していく物語。1908年の発表以来、全世界で5千万冊以上が販売され、ミュージカル劇にもなった。

 オペラ版上演まで10年を要したのは、制作・上演権の獲得に難航したからだ。2008年に公演決定を発表したが、原作の二次利用を管理するカナダの財団が許可せず、いったんは中止を決定。その後も関係者が説得を続けたことで、財団は15年、特例として、20年3月までの制作・上演権を同オペラ協会に許可した。

 赤毛のアンの主役は、想像力が豊かでおしゃべりな少女。ほとんどを歌で表現するオペラには不向きな作品と指摘もされたが、協会は、この世界的な名作の上演にこだわった。演出を手掛ける宮崎市出身の倉迫康史さんも「軽妙な会話のテンポを歌で表現する難しさはある」と認める。6、7月の週末に、宮崎に滞在して演出指導に力を入れた倉迫さんは「赤毛のアンは、アンを取り巻く人々の群像劇。村や島の生活、人間関係の魅力を舞台の上で表現させたい」と話す。

 台本の基となる日本語の訳本は、「赤毛のアン」の全文を初めて翻訳した松本侑子さんが提供。作曲・音楽監督は、映画やテレビドラマ、劇団四季などの楽曲を手掛ける作曲家佐橋俊彦さんが務める。

 3公演で3人のアン役というトリプルキャスト。養親となるマシューとマリラの兄妹役も5人が演じるなど、公演ごとに、それぞれ違った赤毛のアンの舞台が見られる。

 アン役最年少で、自身初のオペラ挑戦となる大脇華那絵さん(18)=宮崎県三股町出身=は、声楽を学ぶ鹿児島国際大1年。「歌は音楽コンクールでの経験しかなく、緊張します。素直な一方で頑固なアンは私とも似ていて、自分を重ねてアンの魅力を表現できればと思います」

 養父のマシュー役では最年長となる曽根和幸さん(71)=宮崎市=は「アンを包み込む大きな愛を持つマシュー。自分の子や孫への思いも込めて、歌いきりたい」と抱負を述べた。

   ◇   ◇

 公演は25日午後1時半、午後6時半、26日午後1時半の3回。S席6千円、A席5千円、自由席4千円(当日は500円増し)。上演実行委員会(高橋さん)=090(5927)1163。

=2018/08/24 西日本新聞=

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