大韓機撃墜35年、遺族ら追悼演奏会 宮崎・国富町「死を無駄にしない」 [宮崎県]

大韓航空機撃墜事件から35年、鎮魂の思いを新たにしたコンサート=12日午後8時すぎ、宮崎県国富町
大韓航空機撃墜事件から35年、鎮魂の思いを新たにしたコンサート=12日午後8時すぎ、宮崎県国富町
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 ロシア・サハリン沖で起きた大韓航空機撃墜事件の遺族で陶芸家、岡井仁子さん(82)=宮崎県国富町=が12日、同町で追悼コンサートを開いた。事件から35年。悲劇が繰り返されないように、とロシアと文化交流を続ける岡井さん。集まった約150人が、鎮魂の思いを新たにした。

 1983年9月1日、ニューヨークからアンカレジ経由でソウルに向かった大韓航空007便が、領空侵犯したとして旧ソ連軍機に撃墜された。日本人28人を含む乗客乗員269人全員が死亡。米国の音楽大学を卒業し帰国中だった岡井さんの長男真さん=当時(22)=と妻葉子さん=同(25)=も亡くなった。

 米ソ冷戦下で情報が公開されない中、岡井さんは真相究明のため現地での聞き取り調査や、国への協力要請に奔走。事件現場に近い北海道やサハリン・ネベリスクで、地元住民と野外で土器を焼成する「野焼き」を行い平和を訴えている。2013年に脳内出血で倒れたが、リハビリをしながら取り組みを続けている。

 この日は、宮崎、熊本両県のミュージシャン6人が出演。真さんのオリジナル曲が、遺品のギターで演奏された。九州や北海道、兵庫県からの支援者も音楽に聞き入った。捜索活動にも協力したオホーツク野焼きの会(北海道紋別市)の藤田孝太郎代表(70)は「深い悲しみがあるでしょうが人々に平和への祈りを伝えている」。岡井さんは「息子の死を無駄にせず世界の平和につながるようにするのが残された私にできる唯一の仕事」と話した。

=2018/10/13付 西日本新聞朝刊=

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