柔道熱血指導6年目 時津署の馬場佳信警部補 [長崎県]

高校生を相手に乱取りする馬場さん
高校生を相手に乱取りする馬場さん
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子どもたちの練習を見守る馬場さん
子どもたちの練習を見守る馬場さん
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 時津署警務課の馬場佳信警部補(53)は、長崎市内で毎週月曜日と金曜日、ボランティアで柔道を指導している。2012年から始め、4月で6年目に入った。子どもたちは親しみを込めて「馬場塾」と呼び、道場には笑顔があふれている。

 「一本取ったら声を出さんか」。長崎市かき道4丁目の橘中の武道場に、馬場さんのひときわ大きな声が響き渡る。自らも3分10本の乱取りに加わり、高校生や中学生に胸を貸す。肩で息をしながら「まだ負けんぞ」「何でそこで止まるとか。技を掛けんか」などと声を張り上げる。

 1986年4月、柔道の名門、国士舘大を卒業して、県警に入った。87年からは機動隊に所属したまま、県警本部長から指定される柔道の特別訓練員として汗を流した。国体の県団体メンバーとしてベスト8に輝いたほか、警察官が出場する全国大会で準優勝したこともある。

 時津署では制服姿で、振り込め詐欺など高齢者が被害者となる犯罪の防止に奔走。道場で見せる厳しい表情は鳴りを潜める。月に6回は当直勤務もこなす。当直で指導できない日は、同僚警察官が指導を代わる。

 柔道5段の馬場さんは「趣味は柔道、特技は柔道」と語るほど、柔道に打ち込んでいる間が「至福の時間」という。仕事はデスクワークが中心になるので、稽古で体を動かすよう心掛けているという。

 保護者からの信頼も厚く、ある母親は「礼節も含めて指導してくれる。子どもが馬場先生を慕っており、楽しく柔道に打ち込んでいる」と語る。

 「柔道は楽しく」が指導モットー。会費はなく、本人のやる気さえあれば誰でも参加できる。門下生には県大会優勝者も数多くおり、県警にも教え子がいる。馬場さんは「道場を巣立った子どもから大会での成績や大学生活の連絡が何よりもうれしい」と目を細める。

 「仕事をしながらでも柔道ができるという姿を後輩に見せたい」と語る馬場さん。子どもたちにも後輩警察官にも、その背中で「文武両道」を体現している。

=2017/04/18付 西日本新聞朝刊=

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