「諏訪の池」戦前史料発見 雲仙のビジターセンター、写真や文献入手 [長崎県]

1931年の諏訪の池。乗馬クラブの一行がほとりを巡っている
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諏訪の池を訪れた秩父宮殿下とみられる男性(左端)ら
諏訪の池を訪れた秩父宮殿下とみられる男性(左端)ら
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 雲仙天草国立公園内にある「諏訪の池」(雲仙市小浜町)の戦前の写真や文献を、現地にある雲仙諏訪の池ビジターセンターが入手した。戦前から発展した雲仙温泉街から離れ、往時の記録も少ないため認知度は高くない。新たな史料は、諏訪の池も昭和初期には既に整備され、保養地としてにぎわっていた様子を伝えている。

 島原半島南部の標高250メートルの盆地に広がる諏訪の池は周辺に多様な生物が生息し、野鳥観察やキャンプを楽しめる。同センター自然解説指導員の大向あぐりさん(47)が今月上旬、知人の祖父が写真など約10点を保管しているのを知り、提供を受けた。

 1931年の写真には、当時設立された乗馬クラブの一団が馬に乗り、優雅に池の外周を回る様子が写る。明治期に始まった草競馬が発展し発足したとみられ、郷土史に詳しい茂和夫さん(72)は「国立公園指定は3年後。指定に向けて機運を高めようと始めたのだろう」とみる。別の写真では、31年に国立公園の候補地として国の視察団が訪問した様子や、30年ごろ秩父宮殿下とみられる男性らがほとりを歩く1枚もある。

 30年当時の県担当者が作成したとみられる「水の公園諏訪池」と題する書面には「一大湖水公園としての真価を発揮し、国際公園としての雲仙の偉大なる使命を完備せしめん」との一文もあり、池に強い期待を寄せていたことが分かる。

 同センターは2020年に開設20年を控え、大向さんは「今後も史料の収集に努め、節目に合わせ写真展などに活用したい」と話す。

=2017/04/22付 西日本新聞朝刊=

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