突発的噴火どう逃げる? 雲仙・普賢岳防災登山に同行 溶岩ドーム近くに道、左右は急斜面 [長崎県]

普賢岳の登山道。1㌔余り先に溶岩ドーム(奥)がそびえる
普賢岳の登山道。1㌔余り先に溶岩ドーム(奥)がそびえる
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白い噴気を上げる溶岩ドーム
白い噴気を上げる溶岩ドーム
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 九州大地震火山観測研究センター(島原市)などは15日、雲仙・普賢岳の溶岩ドーム(平成新山、1483メートル)の動静を確認する防災登山を実施した。県や島原半島3市などでつくる「雲仙岳火山防災協議会」は本年度、突発的噴火から登山者を守るための対策を本格化させる。雲仙の登山者は約3万7千人(2015年)に上る。突発的噴火の危険性とは-。登山隊に同行した。

 登山はロープウエーで上がった妙見岳山頂から始まった。普賢岳に続く道はとにかく狭い。左右が急斜面な場所も少なくない。「いま噴火すればどこに逃げるのか」と不安がよぎった。

 「前兆はほぼつかめない。だが活火山ではどこで起きてもおかしくない」。前を歩く清水洋センター長(60)が「水蒸気噴火」について教えてくれた。問題となっている突発的噴火のことで、マグマの熱が地下水に伝わって起こる。3年前の御嶽山(おんたけさん)(長野、岐阜県)の水蒸気噴火では噴石などで58人が死亡した。

 登山道脇の岩に高さ1メートルほどの穴「風穴」があるのを2カ所で見た。奥行きがあり、協議会が噴石から身を守るための場として岩陰を含めマップ作りを進めている。ただ、1時間歩いた中で隠れられそうな場所は数カ所。突然の噴火で冷静に駆け込めるか。あちこちに転がる「平成噴火」の噴石を見詰め、息をのんだ。

 溶岩ドームを中心とする警戒区域へ。立ち入り許可を得た一行が巨石を登る様子を、30メートル先の警戒区域外の登山道から見る登山者がいた。清水氏によると、噴石が数十メートル飛ぶ小規模な水蒸気噴火がいま起きるとすれば、この溶岩ドームという。登山道がこんなにも近くを通ることに驚いた。

 溶岩ドームでは現在も、岩の間から湯気が噴き出る。温度は例年並みの85・2度。火山活動は今のところ安定しているという。

 立ち上る白い湯気は間違いなくそこが火山である証しだ。協議会は登山道にコンクリート製の避難壕(ごう)を複数設置することを検討中。ただ設備があっても登山者の意識が希薄では意味がない。ヘルメットなしで登る人もいると聞く。一人一人が火山に登っているという自覚を持つことが、最大の対策と言える。

=2017/05/16付 西日本新聞朝刊=

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