大水害継承 番組や討論 発生60年 「川まつり」経緯など紹介 [長崎県]

ラジオ番組の収録に臨む荒木邦彦さん(右)
ラジオ番組の収録に臨む荒木邦彦さん(右)
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 諫早市内を流れる本明川が氾濫するなどし、630人の死者・行方不明者が出た諫早大水害から、25日で丸60年を迎える。同市内では犠牲者を悼み、当時をしのぶラジオ番組や水害の記憶を継承するシンポジウムなどが企画されている。

 同市のラジオ放送局「エフエム諫早」は19日午後6時から、往年の名曲を紹介する番組「青春プレイバック」で、水害のあった1957年の曲を特集する。美空ひばりの「港町十三番地」や青木光一の「柿の木坂の家」など5曲を放送する予定。

 パーソナリティーの荒木邦彦さん(62)は、諫早商工会議所の職員として、毎年7月25日に水害犠牲者の冥福を祈って開かれる「諫早万灯川まつり」の運営に長年かかわってきた。近年「水害の記憶が風化し、川まつりで市民の慰霊の思いが薄まっていると感じた」といい、「当時の音楽に触れることで、過去を見つめることができないか」と企画を思い立った。

 番組では、荒木さんが水害の状況や、川まつりが始まった経緯なども紹介する。荒木さんは「福岡と大分でも水害が起きたばかり。音楽を通じて諫早大水害を考えるきっかけになれば」と話している。

 23日午後1時からは、国土交通省九州地方整備局と、県や市などでつくる本明川流域減災対策協議会が同市宇都町の諫早文化会館で「本明川防災・減災フォーラム」を開く。当時19歳で水害に遭い、濁流にのまれたが、立木に捕まり一命を取り留めた田河文乃さんが体験談を語るほか、宮本明雄市長らが水害の教訓や災害に強いまちづくりについて議論するパネルディスカッションもある。入場無料。

 25日の川まつりは午後8時からスタート。本明川の河川敷や川面に犠牲者を悼む2万3千の灯明が並び、2500発の花火が打ち上げられる。

=2017/07/15付 西日本新聞朝刊=

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