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県天然記念物にシカの食害? 九十九島下島のハカマカズラ 泳ぎ渡りガブリ [長崎県]

下島で繁殖するハカマカズラだが地上1~2メートルで葉が食われている
下島で繁殖するハカマカズラだが地上1~2メートルで葉が食われている
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付近の木にはシカが角を研いだような跡があった
付近の木にはシカが角を研いだような跡があった
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 犯人は泳いできたシカ? 西海国立公園の九十九島の下島に自生し、県天然記念物に指定されている常緑性でつる科の植物ハカマカズラが、食い荒らされていることが分かった。調査した九十九島ビジターセンター(佐世保市)は本土や他の島からシカが泳ぎ渡り、食べている可能性があると分析。センターでは被害状況を確認し、国や県に相談する。

 センターは6日に同市小佐々町から西約2キロ沖にある下島で自然の状態を調査。木々に巻き付いている数本のハカマカズラが食べられ、地上2メートル付近ではほぼ全滅しているのを確認。シカが角で木の皮を削った跡があったほか、シカと思われるふんが付近に残っていたという。

 ところが、下島ではシカは確認されておらず、九十九島調査室室長で大谷拓也同センター長(61)は「シカは泳ぎが得意。空腹でほかの島か、本土から渡ってきたのかもしれない」と指摘。泳いできたとすれば、北に約5キロ離れた大島に生息するシカが“容疑者”として有力だ。ただ1990年に閉鎖した同市鹿町町の「長崎サファリパーク」で飼育され、脱走したシカの子孫の“犯行”説もある。

 イノシシなどとともに農作物に被害を与える有害鳥獣に指定されているシカ。九州では「食害」の報告が相次いでいる。福岡県篠栗町では桜の苗約9千本の葉の多くが食べられた。環境省によると、生息数の推定値(北海道を除く)は2015年度末で10年前のほぼ2倍となる約304万頭。狩猟者の減少などが増加の背景にある。

 ハカマカズラは熱帯性で九州では南西諸島、本州では紀伊半島など限られたところに分布する希少種。大谷センター長は「鹿の顔は愛くるしいけど、県の天然記念物まで食べられてはね」と頭を抱えている。

=2017/09/23付 西日本新聞朝刊=

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