交通カード後継分かれる 県内バス・鉄道10社 全国型と地域限定 利便性低下に懸念も [長崎県]

 県内の交通事業者10社の共通ICカード「長崎スマートカード」について、後継カードの切り替え対応が分かれた。8社が、JR各社など全国で相互利用できる西日本鉄道(福岡市)の「nimoca(ニモカ)」導入を発表していたが、長崎自動車グループが11月末、独自の地域カード導入を発表。2種類のカードは相互利用できるか未定のため、観光客を含め利用者にとって使いにくくなる恐れがある。

 国は2020年の東京五輪に向け、全国で相互利用できる交通カードのエリア拡大を狙い、事業者への補助制度を新設。2002年に導入した「長崎スマートカード」は全国利用できず、システムの老朽化もあり、西肥自動車▽県交通局▽県央バス▽島原鉄道▽佐世保市交通局▽させぼバス▽長崎電気軌道▽松浦鉄道-の8社が今夏、私鉄大手の一角を占める西鉄のニモカ導入を発表した。

 一方、長崎バスを運行する地場交通大手で、態度を保留してきた長崎自動車と子会社さいかい交通は11月27日、県内の営業エリア限定の地域カード導入を発表。11月に長崎自動車グループ入りに合意した島原鉄道もニモカから地域カードに変更する。

 新たな地域カードには、国内の路線バスでは初めて共通ポイントサービス「Tポイント」を付加。県内の商業施設や飲食店、病院、タクシーなどで使えるようにする。担当者は「たまったポイントを県内の買い物で使ったり、消費行動のデータを加盟事業者に還元したりして、地元経済への効果が期待できるため」と狙いを説明する。

 だが切り替え後も10社間での相互利用を継続するには、システム構築に追加投資が必要となる。相互利用が可能か事業者間で調整を行うとしているが、めどは立っていない。

=2017/12/07付 西日本新聞朝刊=

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