「キリシタン伝承の語り部を」 ねしこ食まつり、遺産活用シンポで創設提言 平戸 [長崎県]

パネル討論する(左から)岡崎、山中、永井、川上の各氏
パネル討論する(左から)岡崎、山中、永井、川上の各氏
写真を見る

 平戸市根獅子町の伝統食を振る舞う「ねしこ食まつり」(根獅子集落機能再編協議会主催、西日本新聞社など共催)が11日、根獅子小体育館であり、約300人が押しずしやかんころ飯などの味を楽しんだ。シンポジウムもあり、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録の動きを地域づくりにどう生かすか、を主なテーマに議論した。

 シンポでは、山中弘・筑波大教授(宗教社会学)が基調講演。宗教ツーリズムの事例にサンティアゴ・デ・コンポステーラ(スペイン)巡礼路と熊野古道を紹介し「成功の要件は豊かなイメージを喚起させる物語を持っているかどうか。それを生かす明確な戦略が必要」と指摘。その上で「根獅子にはウシワキの森などキリシタン伝承があり、地元の人が語って聞かせる仕掛けがほしい」と提言した。

 パネル討論は、地域づくり団体全国協議会会長で法政大名誉教授の岡崎昌之氏を進行役に展開。根獅子や近くの世界遺産候補地・春日集落が国選定の重要文化的景観になっており、文化庁の永井ふみ技官は「中江ノ島、安満岳を含めた地域の景観やキリシタン信仰の納戸神などの生活風景には固有性があり、非日常性がある」と評価する一方、「学んで行かないと価値が見えないところがある」と語り部の創設を促した。

 岡崎氏も「(民話の里とアピールする)岩手県遠野市では観光協会に予約しておけばどこでも語り部の話を聞くことができる」と例を挙げ、「根獅子には積み上げてきたキリシタン伝承文化がある」と伝承の里としての可能性を語った。

 同協議会の川上茂次事務局長は「根獅子でも伝承が途絶えようとしている。地域づくりの武器として語り継いでいく人をつくっていきたい」と応じていた。

=2018/03/12付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

ボートレース3連単直前予想

西日本新聞のイチオシ [PR]