離島初の女子競輪選手、誕生へ ブランク乗り越え2度目の挑戦で合格 五島市の21歳 [長崎県]

活躍を誓う出口倫子さん(佐世保市提供)
活躍を誓う出口倫子さん(佐世保市提供)
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高校時代、大分県別府市であった全国高校総体で懸命に自転車をこぐ出口倫子さん(2013年)
高校時代、大分県別府市であった全国高校総体で懸命に自転車をこぐ出口倫子さん(2013年)
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 日本競輪学校(静岡県伊豆市)に五島市出身の出口倫子さん(21)が合格した。5月から同校で11カ月間学び、国家試験に合格すれば来年7月にデビューする運びだ。競輪を振興する「公益財団法人JKA」(東京)によると、離島出身の女子競輪選手はいないという。愛するふるさと、そして後進のために-。プロへの道のりに向かって出口さんは力強くペダルをこぎ出す。

 出口さんが自転車に興味を持ったのは4歳。五島であったトライアスロン国際大会で、自宅にホームステイした選手を家族と応援したのがきっかけだった。小学4年でトライアスロンを始め、中学生の時、競輪場を初めて走った。「ジェットコースターみたい」。風を全身で感じる加速に魅了され、自転車中心の練習に打ち込むようになった。

 身長162センチの細身の体だが、五島高時代は全国大会で入賞するなど活躍。地元のトライアスロン選手と急勾配の坂道を走ったほか、佐世保競輪場にも遠征。強豪校の鹿町工高の選手と一緒に走り、瞬発力と持久力を高めた。

 プロは大学卒業後と考えていた出口さん。1年の受験浪人で大学合格を果たした。しかし、「自分の可能性を試すには自転車しか考えられない」と思い直し、2年間のブランクはあったがプロの道を目指すことに。佐世保市に拠点を移し、家庭教師などをしながら、山道を走ってバランス感覚を鍛えたり、競輪場で実戦感覚を養ったりした。

 2度目の挑戦となった昨年、実技と筆記試験を突破、この春から競輪学校女子の8期生としての挑戦が始まる。出口さんは「夢を追い続けることを支えてくれた周囲には感謝でいっぱい」と語る。

 五島には競輪場がないため、両親は高校時代から遠征費用を工面。佐世保ではプロ選手から助言を受けたり、自転車店から練習場や練習道具を貸し出してもらったりした。「活躍して『五島』の名を全国に広めたいし、離島で自転車をする選手が今後出てきたらサポートもしたいです」。出口さんは夢の実現へ闘志を秘める。

=2018/03/18付 西日本新聞朝刊=

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