阿蘇産牛乳使い焼き菓子販売 23年過ごした熊本に思い込め 佐世保市の田中さん [長崎県]

熊本産の牛乳とバターを使った焼き菓子を販売する田中佳美さん
熊本産の牛乳とバターを使った焼き菓子を販売する田中佳美さん
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 23年過ごした熊本の地に恩返しを-佐世保市万津町で焼き菓子店を経営する田中佳美さん(47)は、かつて住んでいた熊本県から仕入れた牛乳とバターで商品を作っている。14日で熊本地震から2年。「熊本に触れるきっかけをつくることができたら」との思いで始めた店の看板には「阿蘇小国」の文字が並ぶ。

 小学6年から南小国町に住んでいた田中さんは31歳の時、母千津子さん(68)とともに手作りのホットドッグや焼き菓子の移動販売を始めた。4年ほど、キャンピングカーで阿蘇地方の草原を回っていたが、千津子さんが体調を崩し、弟がいる佐世保市に移り住んだ。

 会社員をしていた2016年4月、熊本地震が発生。阿蘇大橋の崩落、阿蘇神社の倒壊などを知り「よく遊びに行っていた場所が様変わりし、信じられなかった」。熊本への思いは募り「焼き菓子だったら、昔の縁でつながりができる」と会社を退職。南小国町で取引のあった農協から牛乳とバターを仕入れ、千津子さんが作ったスコーンやマドレーヌを同年10月からイベントなどで売り始めた。

 昨年3月に店舗「焼菓子工房LOVE」を構えた。看板に記されているのは「阿蘇小国ジャージー牛乳とジャージーバターを使用した焼き菓子をメインにしたお店」。買い物客に熊本産へのこだわりを話すと「熊本で被災した」「あの道は通れるようになった」などの話が出て、ありがたいと思う。「力は微々たるものだけど、何か役に立てれば」。熊本への思いを込めて焼き菓子を売っている。

=2018/04/14付 西日本新聞朝刊=

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