ド・ロ神父の日常記録複製 複写機メーカーが作業 外海で贈呈式 [長崎県]

精巧に複製されたド・ロ神父の記録簿「日日の帳」
精巧に複製されたド・ロ神父の記録簿「日日の帳」
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 キリスト教の禁教が解けた後の明治時代、長崎市外海地区での布教や社会福祉に尽力したフランス人宣教師ド・ロ神父が、日常の出来事や金銭の出入りなどを記した記録簿「日日の帳」の複製作業が終わり、神父が建てた同市西出津町の国重要文化財、旧出津救助院で7日、贈呈式があった。

 全19冊からなる日日の帳は、ド・ロ神父が設けた修道院にルーツがあるお告げのマリア修道会(長崎市小江原4丁目)が所蔵しており、非公開。外海の出津集落を含む「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録に向けた取り組みとして1冊を複製することにした。

 複写機を製造する富士ゼロックスが社会貢献のために作業に当たった。1891~93年にかけて書かれた455ページを1枚ずつ記録し、日焼けやシミなども再現。アルファベット表記の日本語で記されているインクのかすれ具合や質感にもこだわり、約1年かけて復元した。

 記述内容としては「Yasai(野菜)」「Shoyu(しょうゆ)」「Takigi(薪)」など生活感のある言葉が出てくるだけなく、「Daiku(大工)」や作業に使う「Shikkui(しっくい)」などが確認できる。外海地区で教会や道路などの整備が行われ、従事した大工らに食料を用意した様子などが推測される。

 贈呈式で、お告げのマリア修道会の久志ハル子会長(67)は「世界遺産登録前に完成したことは大きな喜び。劣化が進んで直接触れることができなかったが、複製によって訪問者が触れる機会ができた」とあいさつした。複製された日日の帳は旧出津救助院で公開している。

=2018/06/08付 西日本新聞朝刊=

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