「冒険」する障害者サークル 長崎市のロリーポップ・森内浩代表に聞く 海水浴、旅、防災訓練…講演も 活動多彩、評判呼ぶ [長崎県]

伊王島で海水浴を楽しむメンバーたち。底抜けに明るい
伊王島で海水浴を楽しむメンバーたち。底抜けに明るい
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県総合防災訓練でバケツリレーをするメンバーたち
県総合防災訓練でバケツリレーをするメンバーたち
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森内浩代表
森内浩代表
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 みんなで冒険しよう-。そんな合言葉で集った障害者サークル「ロリーポップ・ネットワーク」(事務局・長崎市)が2015年12月の発足以来、活動の場を広げている。海水浴や1泊旅行など「したくてもできなかったイベント」(同ネット)に挑む姿勢が評判になって学会や中学校で講演を依頼され、今年5月には県の要請で総合防災訓練にも参加。発足の経緯や思いを、10年前に脳出血で失語症になった森内浩代表(56)に聞いた。

 -発足のいきさつは。

 「私は言葉と歩行に障害があり、それまで付き合いのあった健常者の友だちと遊ぶ機会が減ってしまいました。知人の作業療法士が同じ障害のある人を紹介してくれ『とにかく家から出て冒険しよう』と、4人で集まるようになったのです」

 -どこに出掛けましたか。

 「カラオケ、バーベキュー、夜景…。特別なことではないと思われるでしょう。でも障害者になると、それまで当たり前だったことが簡単にはできません。バリアフリーのトイレの有無など障害者が行けるかどうかを調べて実行する、まさに冒険です」

 -印象に残るイベントは。

 「一昨年の伊王島(長崎市)での海水浴です。障害者になって海に行くとは夢にも思いませんでしたが、みんなよほど気に入ったのかじっと海水に漬かったまま上がろうとしませんでした。自信を深め、その年12月には初の県外企画で博多日帰りラーメンツアーを決行。昨年2月も伊王島に1泊旅行。サークルのメンバーは36人になりました」

 -講演のきっかけは。どんな話をするのですか。

 「以前入院していた長崎市の病院が私たちの活動を耳にして、頼まれたのがきっかけです。好評だったのかどうか知りませんが、他の病院や中学校に次々に紹介されました。話はもっぱらネットワークの活動内容です。6月26日には県立大シーボルト校看護学部のゼミでも活動を話しました」

 -注目される理由は何でしょう。

 「私たちも分からないんですよ。ただ単純にしたかったことをしているだけですから。ただ、みんな生き生きしているのは確かです。集まって出掛けるのが楽しいから、そのためにリハビリも仕事も一生懸命する。生きがいになっているし、明るいですよ」

 -県の防災訓練にも参加されましたね。

 「これまでは健常者が『障害者役』をしていたそうです。でもそれじゃあ、災害時にどんな支援が必要なのか本当のことは分かりませんよね。活動で知名度が上がり、役に立てたのならうれしいです」

 -次の活動は。

 「7月にはイルカウオッチング、8月には海水浴。関心のある方は『土日祝日の仲間』になりませんか」

   ×    ×

【ワードBOX】ロリーポップ・ネットワーク

 2015年12月に脳出血や脳梗塞が原因で失語症になった障害者4人で発足。現在は膠原(こうげん)病の患者やパニック障害のある人、健常者の作業療法士らを含む36人で構成。ロリーポップは英語で棒付きキャンディの意。「キャンディはみんなを笑顔にする」との意味を込めている。月会費700円。

=2018/07/04付 西日本新聞朝刊=

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