「痛烈な現場」がれきに埋まった2人、涙ながらの遺族…県警援助隊が語る救出活動 [長崎県]

広島市安芸区で救助活動に取り組む県警の派遣隊員ら(県警提供)
広島市安芸区で救助活動に取り組む県警の派遣隊員ら(県警提供)
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12日、救助活動について語る広域緊急援助隊隊長の林田智治警視
12日、救助活動について語る広域緊急援助隊隊長の林田智治警視
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 西日本豪雨被災地で、犠牲者も出た広島市安芸区に「広域緊急援助隊」として派遣されていた県警の25人が12日、任務を終え戻った。8日から4日間、昼夜問わず行方不明者の捜索に当たった援助隊の隊長を務めた林田智治警視が、活動を振り返った。

 援助隊は警察庁の要請に応じ、コンテナ車やレスキュー車など車両8台で出動。渋滞などで目的地の広島市に着いたのは8日昼の出発から10時間半後の9日午前0時。現地は住民4人の行方が不明で、住民らに見守られながら消防や自衛隊とともに救助に当たった。

 「痛烈な現場」。約2メートルもの流木のほか、冷蔵庫や車、土砂などの堆積物が道路を封じ、水もトイレもない。いつ土砂が崩れるが分からない状態だったが、「少しでも早く救出したいと無我夢中だった」。

 9日午後5時ごろ。原形をとどめていない家のがれき下に埋まった2人が見つかった。心肺停止状態だったが「少しでも可能性があるならと気持ちを押し殺し」て救助を続けた。

 救出は翌朝午前10時ごろ。2人は10代の男女とみられ、ほぼ同じ場所にいた。その場で消防が死亡を確認した。2人の遺族が涙ながらに「家族が無事そろうことができました」と声を掛けてきた。林田隊長はこう思う。「せめて、2人が一緒にいてくれてよかった」

 さまざまな人の協力も実感した。住民が、隊員にタオルや休憩場所を提供してくれた。林田隊長は「住民も被災者なのに温かく見守ってくださり、感謝している」。

 12日、県警機動隊の庁舎に25人が戻ると、約30人が出迎えた。西浦泰治警備部長は「大変困難なことがあったと思うがよく頑張った」とねぎらった。林田隊長は「まだまだがれきの撤去などの作業は急務と感じている」と語った。

=2018/07/13付 西日本新聞朝刊=

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