原爆学級朗読劇で伝える 親友亡くす悲劇描く 11日、長崎市 [長崎県]

「原爆学級」をテーマにした朗読劇に出演する卒業生の内野節雄さん
「原爆学級」をテーマにした朗読劇に出演する卒業生の内野節雄さん
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母親がわが子の白血病発症を城山小の教師たちに告白する朗読劇の稽古場面
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長崎原爆で被爆した城山国民学校
長崎原爆で被爆した城山国民学校
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 長崎原爆で被爆した学童の健康調査のため、長崎市立城山小にかつて設けられた「原爆学級」の卒業生、内野節雄さん(74)が11日に上演される朗読劇「原爆学級レクイエム」に出演する。1歳9カ月で被爆した内野さんは被爆の影響とみられる白血病で親友をなくした。「1人でも多くの若い世代に原爆や戦争の残酷さを知ってほしい」との思いを表現する。

 物語は終戦から40日目、城山国民学校の教員3人が学校近くの八幡神社で話す場面から始まる。児童たちに「青空学級」への参加を呼び掛けるビラを各所に貼り、少しずつ学校としての活気を取り戻す中で、被爆が原因で命を落とす子どもが現れ、心を痛める教員たちの心情を描く。

 被爆児が集められた原爆学級への思いや被爆体験を劇の冒頭で語る内野さんは爆心地から1・8キロの防空壕(ごう)で被爆。4年生で城山小に転入して原爆学級の一員となった。親友を10歳で失ったエピソードは劇の一場面として採用された。当時、日に日に衰弱する親友の姿を見て「病院の廊下に出て泣いていた」。

 原爆学級の児童は、教員に引率され大学病院で血液検査やエックス線撮影を受けた。パズルなどの適性検査もあった。学校では尿検査があり「自分の尿をストローで吸って試験管に移し替える時、誤って飲み込んでしまうこともあった」といい、苦痛だった。

 劇団を主宰し、劇の企画構成をした津田桂子さん(72)は原爆投下時に母親のおなかの中にいた胎内被爆者。原爆の日に合わせ毎年、劇を上演しており、今年は原爆学級の卒業生ら10人を取材して脚本を書き上げた。「街は復興しても被爆の影響はずっと残り続ける事実を描きたかった」と制作の意図を語った。

     ◇

 朗読劇「原爆学級レクイエム」は11日午後2時に開幕する長崎平和音楽祭で上演される。音楽祭では広島の被爆バイオリンの音色が奏でられ、浦上天主堂の小聖堂に祭られる被爆マリア像をモチーフにした歌曲も披露される。事務局=095(823)9373。

=2018/08/07付 西日本新聞朝刊=

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