鎮魂のハーモニー今年も 被爆者歌う会合唱曲「もう二度と」 平和祈念式典で披露へ [長崎県]

祈念式典へ向けて練習に熱を込める「被爆者歌う会ひまわり」のメンバーら
祈念式典へ向けて練習に熱を込める「被爆者歌う会ひまわり」のメンバーら
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 長崎原爆の被爆者による合唱団「被爆者歌う会ひまわり」(長崎市)が、9日の原爆犠牲者慰霊平和祈念式典で披露するオリジナル曲の練習に励んでいる。高齢化で団員が減る中、残されたメンバーは長崎、広島で一瞬に命を奪われた犠牲者、生き延びた被爆者の思いを込め、今年も式典オープニングで鎮魂のハーモニーを響かせる。

 -聞こえていますか 被爆者の声が-

 -あの青い空さえ 悲しみの色-

 7月31日、長崎市内の練習室は伸びやかな声で満ちていた。2004年の結成以来、歌い継いできたオリジナル曲「もう二度と」。合唱団を主宰する音楽家の寺井一通さん(69)が「式典が被爆者の思いを伝えられる最も効果的な場所」と考えて市に出演を打診し、10年からオープニングを飾る大役を担う。

 広島や沖縄など先の大戦で多くの命が奪われた場所にも招かれ、平和を願う被爆者の思いを届けてきた。ただ、50人を数えた団員は高齢化で減少し、現在は33人。平均年齢は80歳を超す。最年長の田川照子さん(93)は何人もの仲間を見送った。「少しずつ減っていって…。私もいつまで続けられるかね」と漏らす。

 もう一つ気掛かりなのは高齢化で高いトーンの声が出にくくなっていること。数年前からは、オープニング前に披露していた「事前合唱」に被爆2世も参加している。寺井さんは「将来は式典本番で1~3世の合同合唱をし、思いをつなげたい」と考える。

 4年前に長崎にUターンし、今年初めて事前合唱に参加する2世の伊藤佐和子さん(64)は40年ほど前に亡くなった父を思う。「長崎に帰ってきて歌っているよ、と、父に伝えたい」

 9日は、事前合唱で「長崎の鐘」など2曲、オープニングでは団員に一般の被爆者も加えた約50人で「もう二度と」を響かせる。

=2018/08/09付 西日本新聞朝刊=

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