カボチャのつるで手すき和紙 諫早農高生が開発 障害者施設が商品化へ [長崎県]

カボチャのつるで和紙を開発した諫早農業高食品科学部の生徒たち
カボチャのつるで和紙を開発した諫早農業高食品科学部の生徒たち
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 県立諫早農業高(諫早市)の部活動「食品科学部」の部員たちが、県産カボチャのつるを材料にした手すき和紙を開発した。繊維の砕き方など1年半余りの試行錯誤を重ねた。出来上がった和紙はやや厚めで優しい手触り。今夏は和紙の折り鶴が高校生平和大使の手でスイスの国連欧州本部に届けられるほか、長崎市の障害者福祉施設が商品化に乗り出す。

 開発したのは食品科学部部長、前田悠花さん(17)ら2、3年生のグループ。同部では2015年度から、収穫後に廃棄されるカボチャのつるを再利用した商品開発に取り組んでおり、前田さんらは「和紙の素材になるのでは」と着目した。諫早市高来町の伝統和紙「湯江紙」を製造する「とどろき紙工房」で手すきの工程を学びながら、昨年7月、研究に着手した。

 苦労したのは一般の和紙の原料「こうぞ」に比べて硬いカボチャの繊維を軟らかくする方法。文献などを調べてアルカリ処理し、ミキサーや木づちで細かく砕いて課題を解決した。茶色の繊維を漂白するためにさまざまな薬剤を試し、結着剤に市販ののりを使うなど、完成までに270通りの実験を重ねたという。

 昨年11月の文化祭で発表し、市内のイベントや保育園でも試作品をPR。平和への願いを込めて部員が折った折り鶴は、9日に諫早市の鎮西学院であった長崎原爆の平和祈念式典で飾られたほか、26日から欧州を訪問する高校生平和大使の山西咲和さん(17)=諫早高2年=にも託された。

 「諫早発の和紙が世界に広がり、カボチャのつるの処分に困っている生産者の役に立てばうれしい」と前田さん。

 商品開発は長崎市の障害者就労支援施設「のぐさ」が持ちかけた。30日には、精神障害がある利用者が和紙をすいた試作品を、施設のイベントで販売する。施設管理者の下釜聡美さん(40)は「工程が細かく分かれるので作業しやすい。将来は和紙のランタンを販売し、利用者の賃金アップにつなげたい」と話している。

=2018/08/25付 西日本新聞朝刊=

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