引きこもり、不登校経験の姉弟 つらい思い水彩画に「見守ってくれた家族に感謝」 [長崎県]

それぞれの作品を手にする川原夕佳さん(右)と大毅さん
それぞれの作品を手にする川原夕佳さん(右)と大毅さん
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 引きこもりや不登校の経験がある佐世保市日宇町の川原夕佳さん(25)と弟の大毅(ひろのり)さん(20)が、かつてのつらい胸の内を表現した水彩画展を開催する。2人は「苦しいときに支えてくれた人、同じような悩みを抱えている人たちに作品を見てほしい」と願う。

 ともに小学生のときから絵に親しみ、約30点の水彩画とポストカードを出品する。自分の周りを魚が泳いでいる夕佳さんの作品、つらそうな表情で寝ている大毅さんの作品は、家に引きこもっていた頃を表す。

 夕佳さんに異変があったのは中学1年の3学期。仲たがいした友人と会うのがきつくて、教室に入れなくなった。校内の特別教室で過ごして卒業。高校でも体調がすぐれず転校した。大学は中退した。

 家で過ごす日が多く、声が突然出なくなる失声症を患った。表向きは明るい。でも「人のことを気遣ってばかり。嫌なことを嫌と言えず、本心が出せずにしんどかった」。神経質になり過ぎたのが原因だったと振り返る。

 大毅さんは小学3年から学校に行けなくなった。担任に怒られたのが引き金だった。「叱られることを警戒し過ぎて、気持ちが爆発した」。特別教室や塾に通い、勉強は追いついたが、引きこもる日が多かった。

 心境が変化したのは中学卒業後。酪農を営む米国の親戚宅で約3カ月間、牛の世話をした。「みんな寛容で、フレンドリーに付き合ってくれた」。佐世保中央高通信制では生徒会役員を任され、自分が必要とされていることに喜びを感じるようになった。

 夕佳さんは大毅さんと雑貨店で働き、次第に元気を取り戻した。「引きこもった頃は不安で眠れない日々が続いたけれど、今は穏やかな気持ちになった。見守ってくれた家族に感謝したい」と夕佳さん。大毅さんは「つらかった時代も前向きに考えられる」と話す。

 作品展は佐世保市で活躍する画家大石博さんが協力した。「KAWAHARAS おやすみとおはようの水彩画展」と題して20日から26日まで、佐世保市島瀬町の島瀬美術センターで開かれる。入場無料、25日は休館。

=2018/09/12付 西日本新聞朝刊=

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