精密医療機器用の洗浄装置、長崎大が開発 全自動化、確実に除菌 商品化へ臨床試験始める [長崎県]

長崎大などが開発した精密医療機器用の洗浄装置「メディカル・ナノ・ウォッシャー」
長崎大などが開発した精密医療機器用の洗浄装置「メディカル・ナノ・ウォッシャー」
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 長崎大は21日、外科手術に使う内視鏡など精密医療機器用の洗浄装置「メディカル・ナノ・ウォッシャー」を開発したと発表した。現在は医療従事者による手洗いだが、全自動化によって安全で確実な洗浄・除菌が可能になるという。商品化に向け、10月から臨床試験を始める。

 一般の医療器具用の洗浄装置は内視鏡や付属の鉗子(かんし)に対応しておらず、洗浄剤を使って手洗いしているのが現状。機器を再利用する際の二次感染のリスク、薬品洗浄による健康被害や機器の腐食・劣化が課題となっている。近年の内視鏡手術の増加を受け、長崎大と協和機電工業(長崎市)、医療機器の開発・販売を手掛けるクリプトン社(東京)の産学連携で2012年から開発を進めていた。

 新装置は洗濯機ほどの大きさ。水道水に塩化ナトリウムを加えて電気分解し、タンパクを除去するアルカリ水と、病原体を除去する酸性水で順番に洗う。超音波も加え、強力に汚れを取り除く。この結果、洗浄にかかる時間を手洗いの3分の1ほどに短縮。薬品を使わないため、環境にも優しいとしている。

 長崎大は基礎実験や動物実験を繰り返し、洗浄・除菌効果を実証。新装置は2年前、医療機器として厚生労働省の認定を受けた。長崎大病院に導入し、性能を最終確認した上で早期販売を目指す。永安武医学部長は「科学論文でも品質を保証しており、世界に誇れる製品だ。途上国も視野に入れ、市場を開拓していきたい」と話す。

=2018/09/22付 西日本新聞朝刊=

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