被爆者5団体「軍縮止めるな」 米ロのINF廃棄条約破棄見通しで緊急会見 長崎大「新たな枠組みの好機に」 [長崎県]

米ロの対立に懸念を感じ、長崎市役所で会見した被爆者5団体の代表者たち
米ロの対立に懸念を感じ、長崎市役所で会見した被爆者5団体の代表者たち
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 米国とロシアが結ぶ中距離核戦力(INF)廃棄条約が破棄される見通しになったことについて、長崎の被爆者5団体が5日緊急会見し、「核軍縮の流れを止めるな」と抗議の声を上げた。一方、長崎大の研究者は廃棄に向けた新たな枠組み構築のチャンスにもなる、との見方も示した。

 この日5団体は連名で、条約破棄の撤回を求めるトランプ米大統領宛ての要請文を在日米大使館に送付した。会見で県平和運動センター被爆者連絡協議会の川野浩一議長(79)は「両国は冷静さを欠いている」と指摘。指導者の感情が、大国の核戦略を左右している現状に「大きな危険性を抱いている」とも漏らした。

 被爆者は警戒を強めるが、日本政府の考えは異なる。菅義偉官房長官は4日の記者会見で、条約破棄の状況は好ましくないとしつつ、米の対応を「理解できる」と述べた。県被爆者手帳友の会の井原東洋一(とよかず)会長(82)は「悲惨な体験をした日本こそ、保有国を核軍縮へと導くべきなのに。間違っている」と憤った。

 一方、長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA)は北東アジア非核化への好機にもなり得る、とも考える。4日発表した見解では、トランプ大統領がロシアに加え、中国も念頭に「新たな条約ができればよい」と発言したことに注目。広範囲な枠組みであれば、それだけ効果も大きいと考えられ「日本が具体的な核軍縮、枠組み構成のプロセスを示し、議論を活発化させる役割を担うべきだ」と提言した。

=2019/02/06付 西日本新聞朝刊=

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