世界遺産「多くの観光客は必要か」 長崎大付属小で授業 外海地区訪れ学ぶ [長崎県]

観光客の必要性を議論した長崎大教育学部付属小の授業。教師が手にするのは、潜伏キリシタンの祈りの場所の写真
観光客の必要性を議論した長崎大教育学部付属小の授業。教師が手にするのは、潜伏キリシタンの祈りの場所の写真
写真を見る
県世界遺産課が作った補助教材の1ページ。歴史を分かりやすく紹介している
県世界遺産課が作った補助教材の1ページ。歴史を分かりやすく紹介している
写真を見る

 長崎市の長崎大教育学部付属小の4年生96人が、社会科の授業で世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」について学んでいる。構成資産がある同市外海地区を学びの場とし、その価値を知り、愛着と誇りを感じてもらう試み。県は取り組みをモデルとして広めたい考えだ。

 今年1月に始まった授業は全13回。県は潜伏キリシタン関連遺産の資料を提供したり、イラストや写真入りの補助教材を作ったりして授業を支える。

 初回はまず、「潜伏キリシタン関連遺産に多くの観光客は必要か」をテーマに議論した。その後の授業では、外海地区に赴任した宣教師ド・ロ神父が手掛けた出津教会堂や、旧出津救助院などの現場を実際に訪れ、地元に暮らす教会守やシスターらに世界遺産に対する考え方を聞いた。

 2月7日の12回目の授業は公開で行われた。児童たちは、実際に出会った外海の人々が「ド・ロ神父を知ってほしい」と願っていたこと、一方で県内の他地区の教会ではキリスト像が壊されたことなどを踏まえてあらためて議論。その結果、世界遺産の現場に多くの観光客が「必要」は初回の11人から19人に増えたのに対し、「必要ではない」は18人から9人に半減した。必要ではない、と一貫して主張した古賀悠士君(10)は「価値があるものだからこそ大事にしたい」と語った。

 県世界遺産課は授業でのやりとりを動画で記録。これをモデルに新年度以降、県全域で段階的に実施してもらうよう働き掛ける。

=2019/02/15付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]