赤ろうそく華僑受け継ぐ ランタンフェスタ19日「元宵節」で閉幕 [長崎県]

文字を書き入れたろうそくを差し出す林斯美さん
文字を書き入れたろうそくを差し出す林斯美さん
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 長崎市で19日まで開催中の長崎ランタンフェスティバルは、中国の伝統行事「元宵節(げんしょうせつ)」でフィナーレを迎える。最終日、同市の唐寺、崇福寺の祭壇は、めでたさを象徴する赤色のろうそくで埋まり、参詣客は振る舞われる元宵団子を楽しむ。こうした長崎に根付く中国文化は華僑が受け継ぐ。その一人が、雑貨店「泰安洋行」会長の林斯美(すみ)さん(79)だ。

 赤いろうそくに、筆で丁寧に中国語の文字を書き入れる。インクは金箔(きんぱく)を溶かしたもの。時間を大切にすることを説く漢詩の「一寸光陰一寸金」、若い頃の勉学を促す「少年易老学難成」のほか、商売繁盛を意味する「生意興隆」などがある。

 中国の「元宵節」は、檀家(だんか)がちょうちんを下げてお寺に願い事をお参りするのが習わしだ。戦後の長崎ではちょうちんが手に入りにくく、替わりに赤いろうそくが定着したという。

 長崎生まれで2世の林さん。父親が戦後、長崎市内で開いた雑貨店では文字を入れたろうそくを扱っていた。七つ年上の兄繁儀さん(86)と一緒に文字入れを手伝い、高校卒業後に店を継いだという。

 ただ、文化や風習は少しずつ変わっていく。華僑の人々が元宵団子を食べながらお寺で一夜を過ごす光景も、昔ほど多くはなくなった。赤いろうそくをお寺に供える人も減ってきている。

 それでも1月上旬から注文が入り、今年は約千本を用意した。共に筆を握ってきた繁儀さんが体調を崩し、今年は1人で文字を書き込んだ。「これからも伝統は大切にしたい」と願う。

 19日、崇福寺では午後5時半から先着500人に元宵団子が振る舞われ、林さんの思いが込められたろうそくが境内を照らし、幻想的な雰囲気を醸し出す。

=2019/02/19付 西日本新聞朝刊=

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