五島の独身男性に出会いを ツアーに女性9人 豊かな自然や食が後押し、素朴な人柄に好感 [長崎県]

五島市の人気観光地である高浜海水浴場を眺めるイベント参加者たち
五島市の人気観光地である高浜海水浴場を眺めるイベント参加者たち
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 独身の男女に出会いの場を提供するイベントが、県内各地で開催されている。未婚者支援や少子化対策の一つとして行政も後押しする。イベントの成否の鍵は、二人が一緒に過ごしたいと思う安心感を短い時間でいかに醸成できるか。かくいう私も44歳の独身男。2月に五島市であったイベントをのぞいてみた。

 10日、地元の地域おこし団体「岐宿コッパ会」が主催した「コッパ.CON~五島で始まる恋物語」。昨年に続き2回目の開催。男性は島内の20~40代の自営業や漁業、公務員など地域に密着した仕事に就いている13人。参加資格は30代までとなっていたはずだが、男性の熱意に主催者が特別に許可したという。私も参加可能だったのかと知り、歯ぎしりする思いだった。

 女性は市内外の20~30代の9人が参加。福岡から参加した5人の大半が「イベントを知ったきっかけは西日本新聞」と話しており、告知記事を書いたものとしてうれしく思った。「その記事、僕が書いたんですよ」。さりげなくアピールすることも忘れなかった。

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 自己紹介タイムでは男性が座る複数のテーブルを女性が3分ごとに回る。会話の糸口は職業や趣味などを記載したプロフィル用紙。男性も女性も会話を弾ませていた。その後のボウリング大会もストライクが決まると、参加者同士でハイタッチを交わすなど盛り上がりは上々だった。

 その裏には理由があった。実は主催者が男性陣に事前にセミナーを開いていたのだ。長崎市のイベント会社のスタッフが講師となり、第一印象を良くするコミュニケーションの方法などを指導したという。

 「女性の話を聞くときは、笑顔で共感の相づちを打つのが大事と学んだ」と30代のケンジさん(仮名)。5班に分かれて行った島内ドライブ。人気観光地の高浜海水浴場を訪れたグループでは、「きれいすぎてやばい」などとテンションが上がる女性陣に対し、男性陣は「『日本の渚100選』に選ばれています」「マリンブルーもいいけど、夕焼けに染まるオレンジ色の海も魅力」などとふるさと自慢に躍起になっていた。

 地元の名産物をふんだんに使った食事会では、男性陣がスーツにネクタイ姿で女性陣をもてなし、「いろんな一面を見てもらいたい」という主催者の心遣いも感じた。

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 島までの交通費や宿泊費は主催者が負担。「福岡に近いし移り住んでもいい」と女性側の本気度は高い。福岡の20代の会社員、ミユキさん(同)は「島の美しい海に癒やされ、男性も思いやりのある方が多く、島全体がアットホームな感じ」と好印象を持ったよう。豊かな自然や食材、島で育まれた素朴な人間性が、好感度をもたらす大きな要素になっているのだろうと思った。

 正午にスタートして夜8時まで続いたイベント。最後に全員が、最も好印象をもった相手の名前をカードに書くコーナーでは1組のカップルが成立。それ以外にも終了後に連絡先を交換し合う場面もみられた。

 県こども未来課によると、20~39歳の人口に占める未婚者の割合は五島市では44・7%(2015年)。県平均を約6ポイント下回っているが、五島に限らず、どの自治体でも少子化と人口減少は悩みの種だ。同会は「友達として第一歩となるような縁を大事にしてもらい、若い世代の定住促進で島の活性化を図れれば」と話している。

=2019/02/24付 西日本新聞朝刊=

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