島原市スポーツ誘致好調 W杯や五輪代表キャンプも 年間宿泊1万人、5年で10倍 [長崎県]

合宿を歓迎する横断幕が掲げられた島原市営球場で練習に励む、立命館大学準硬式野球部員
合宿を歓迎する横断幕が掲げられた島原市営球場で練習に励む、立命館大学準硬式野球部員
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 スポーツの合宿などの誘致による地域振興を目指す島原市の取り組みが、着実に成果を挙げている。大型国際大会で日本を訪れる海外代表チームのキャンプ地にも選ばれ、延べ約1万人の年間宿泊者を迎えるまでになった。

 「歓迎 立命館大学体育会準硬式野球部」と書かれた大型横断幕が2月下旬、島原市営球場のフェンスに掲げられた。関西六大学春季リーグ戦の開幕に向け、6泊7日の合宿を行う部員約50人を迎えるためだ。

 大学がある京都市は冬の冷え込みが厳しく、温暖な地域での合宿は選手の体づくりや連係プレーの仕上げに欠かせない。近場にも合宿候補地はあるが、同部は京都から新幹線などで7時間もかかる島原市を2年連続で選んだ。

 坂井良太朗監督(51)は、充実した施設に加え「変化球を投げられるバッティングマシンの手配など細かな要望にも応えてもらえる」と受け入れ態勢を評価。中島昇悟主将(21)も「合宿中は天候にも恵まれ、思い切り野球に専念できた」。

 約110人の大所帯で3泊4日の合宿を組んだ大分市の日本文理大サッカー部の西野晃平監督(36)は、練習場と宿泊施設の近さを重視。約5キロをランニングで移動し「ウオーミングアップでき、時間の無駄がない」。温泉の疲労回復効果も「魅力」と捉えている。

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 島原市は、雲仙・普賢岳災害終息後の2003年度に復興策の一環としてJリーグのキャンプ誘致に着手。アビスパ福岡やサガン鳥栖の誘致で実績を重ねた。

 体が資本のプロ選手のキャンプは高いレベルでの対応を求める。練習場近くや休日の病院リスト、宿泊先の食事メニューやカロリー計算など多様な要望に応えてきた経験が「その後の学生スポーツを含む幅広い誘致に生きている」(市しまばら観光おもてなし課)。

 とはいえ、遠隔地の島原は最初で満足してもらえなければ次はない。合宿前に丁寧に要望を聞き、官民が協力して受け入れ準備を進める。Jリーグのザスパクサツ群馬のキャンプでは、練習相手に九州大学サッカー選抜チームを手配。野球の紅白戦では審判員の資格を持つ市民が協力することもある。

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 雨天時の練習施設の拡充に加え、高齢者スポーツの開拓などがなお課題とされるが、地元の努力は誘致実績に反映。13年度は参加者1761人、延べ宿泊者997人、経済効果は約2200万円だったが、17年度にはそれぞれ4218人(約2・4倍)、9290人(約9・3倍)、約2億2300万円(約10・1倍)に伸びている。18年度の延べ宿泊者は1万人を見込む。

 誘致は海外チームにも広がり、今秋のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会ではトンガ代表の公認キャンプ地に。最高峰のスポーツ大会のキャンプ地になったことが国際的な信用にも直結したといい、20年の東京五輪でもレスリングのスペイン代表の事前キャンプ地に決定した。

 スペインレスリング連盟と今年1月に協定書を交わした古川隆三郎市長は「ラグビーW杯のキャンプを誘致したことだけで『島原はいいところ』と評価された。想像以上に効果は大きい」と振り返り、今後の誘致増を期待している。

=2019/03/03付 西日本新聞朝刊=

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