被災地東北に思い寄せ「人間の鎖」 高校生らが爆心地で 東日本大震災8年 [長崎県]

原爆落下中心地碑の前で、人間の鎖をつくる参加者たち
原爆落下中心地碑の前で、人間の鎖をつくる参加者たち
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講演で参加者の質問に答える加井佑佳さん(左)と本田歩さん=10日午後
講演で参加者の質問に答える加井佑佳さん(左)と本田歩さん=10日午後
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 11日、東日本大震災の発生からちょうど8年を迎えた。いまだに多くが避難生活を余儀なくされ、東京電力福島第1原発事故の放射線が復興を阻む。県内でも多くの市民が被災地に思いをはせ、心から復興を願った。

 核兵器廃絶を訴える高校生1万人署名活動実行委員会はこの日、長崎市の爆心地公園で震災からの復興を祈る「被災地と心をつなぐ集い」を開いた。

 参加した高校生や支援者13人はそれぞれスピーチを述べ、震災の被害を忘れず、被災地に思いを寄せることを誓った。被爆3世で活水高3年の中村涼香さん(18)は放射線の被害を知る長崎だからこそ、人ごとではないと強く感じるといい「少しでも前に進んでほしい、という気持ちを持ち続けたい」と訴えた。

 地震が発生した午後2時46分、全員で手をつなぎ、協力を意味する「人間の鎖」をつくってアピール。市も防災無線で市民に黙とうを呼び掛け、発生時刻に追悼のサイレンを鳴らした。

 これに先だって10日には、かつて高校生平和大使を務めた福島県いわき市出身の本田歩さん(22)、その友人で現在も全町避難が続く大熊町出身の加井佑佳さん(22)が市内で講演、自身の体験や思いを伝えた。

 放射線被害が怖かった本田さんだったが、不安を口にしたらいけない雰囲気を感じ取り「自由な議論ができず、閉塞(へいそく)感を感じた」と振り返った。

 加井さんは被災者の体験を聞き取って共有することで、心のつながりを深め、教訓として生かすボランティア活動をしている。被災者である自身も知らないことが多く、長崎の市民に「ぜひ、現場に足を運んでほしい」と訴えた。

 市は18日まで市役所本館や市立図書館など市内約60カ所で、当時の被災状況を伝える写真や、震災への備えを呼び掛けるパネルを掲示。担当者は「災害はいつ起きるか分からない。常に準備を整えてほしい」と呼び掛けた。

=2019/03/12付 西日本新聞朝刊=

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