県絶滅危惧種タヌキアヤメ移植 住民、農地整備で救出 五島市 [長崎県]

タヌキアヤメの移植作業を行う県職員や地元住民たち
タヌキアヤメの移植作業を行う県職員や地元住民たち
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 長崎県の絶滅危惧種に指定されている植物タヌキアヤメの群落が、五島市岐宿町の農地基盤整備事業の現場に自生している。事業に着工することから、県や市職員、地元住民たちが11日、希少な植物を救おうと区域外への移植を行った。

 タヌキアヤメは中国やマレーシアなどに分布する高さ約1メートルになる多年草。湿地に生え、夏から秋にかけ直径1センチほどの黄色い花を咲かせる。同市は北限地で、同市岐宿町寺脇池の群生地は、県の天然記念物に指定されている。

 移植する群落は、同池から数百メートル離れた約200平方メートルの湿地帯。地元の一部住民には以前から知られていたといい、同市の自然環境啓発施設、鐙瀬(あぶんぜ)ビジターセンター職員の出口敏也さん(55)が移植を県に相談、実現した。

 作業には9人が参加。参加者はスコップや重機で湿地帯を掘り起こし、数キロ離れた田んぼに約70株のタヌキアヤメを植えた。出口さんは「絶滅危惧種の移植は五島で初めてかもしれない。温かく見守ってほしい」と話した。

 寺脇地区のため池には、オグラコウホネなど絶滅危惧種に指定されている植物が豊富に見られる。作業に参加した同地区の農業中村利夫さん(70)は「美しい自然がいつまでも残るといいですね」と汗をぬぐった。

=2019/03/16付 西日本新聞朝刊=

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